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オトナミューズ編集部

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「アップデートしたかった。変わるチャンスは自分でつかむ」石原さとみ、眼差しの温度

黒ドレス¥77,000、バングル¥154,000(共にジャンティーク)、ジャケット¥107,800(アンスクリア/アマン)、イヤーカフ¥22,000(コールムーン/ショールーム セッション)、リング¥49,500(poda/アトリエ ジムル)

黒ドレス¥77,000、バングル¥154,000(共にジャンティーク)、ジャケット¥107,800(アンスクリア/アマン)、イヤーカフ¥22,000(コールムーン/ショールーム セッション)、リング¥49,500(poda/アトリエ ジムル)

撮影の終盤にようやくこの現場に
いられる幸せを実感できた

——難しい役柄ですもんね。

 

 「撮影前からスランプで、撮影が始まってもスランプ。だから、監督も私をどう料理すればいいのか迷われている感じがあったんです。あとで聞いた話ですが、監督は撮影開始から1週間くらいして、ようやく現場を楽しめるようになったそうなんですが、私は全くそんなことはなく(笑)」

 

——どのようなアドバイスを受けました?

 

 「監督はドキュメンタリーのように撮りたい、と何度もおっしゃっていて。お芝居と素のドキュメンタリーのようなバランスのさじ加減について鍛えていただきました」

 

——子どもを失った母、という以前に、沙織里のようなキャラクターを演じられたこと自体ないですもんね……。

 

 「撮影の1カ月ちょっと前のことですが、監督が『こういう人たちだよ』とイメージする方に会う機会を設けてくださったんです。そのとき、私もお酒をいただいて、ざっくばらんにお話をうかがいました。それで、監督が考えている沙織里のバックストーリーみたいなものがちょっとだけ見えてきたのは助かりましたね」

 

——ノーメイクで洗いざらしの髪で、気分次第で感情をそのまま表現しちゃうキャラ。特に夫に対しては率直過ぎるほど率直。

 

 「そうですね。実際の暮らしぶりなどをうかがって、沙織里のような女性がどのような気持ちを抱えているのか、すごくためになるお話でした。ですが……とにかくそこからも想像力と体現が追いつかなくてスランプに突入してしまったんですよね」

 

——いつごろスランプを脱したと思いました?

 

 「客観的になれた、という瞬間がありました。撮影も終盤に差しかかってきたときに、ようやく状況を客観視できるようになって、『わ!  7年前に一緒に仕事をしたいと自分で行動に移して、私が好きな作品ばかりを撮っている監督の現場にいる!』って幸せな気分になれたんです。私が好きで仕方ない監督の作る世界の一部になっていることを実感できたときに、ようやくちょっとだけ抜け出せたかな、と思います。といっても、ずっとお芝居で泣いていたので、お芝居が終わっても抜けきらない不安がありました」

 

——役が抜けないつらさ、ありますよね。切り替えはできました?

 

 「変えるために、クランクアップしたあとすぐに髪を切りました(笑)」

 

——ショート、超お似合いです。

 

 「ありがとうございます。沙織里を一番象徴していて、見た目ですぐに変えられるのは髪型ですから。撮影前から毎日ボディソープにちょっとだけシャンプーを混ぜたもので髪を洗っていたので、バッサバサでしたよ」

 

——ボディソープ!

 

 「そうそう。でもボディソープだけだとキシキシになり過ぎて、逆にまとまりが出ちゃうんですよ。それで、シャンプーを混ぜてうまいことあのヘアスタイルになる配分を研究しました。ほんと、私はそういうところからしか入れないんだな、とも思ったのですが」

 

——あの髪の毛の質感は、沙織里というキャラクターを端的に表してますよね。 

 

 「役に入るためにはそういったいろんなことをして肉づけしていないと、私はどんどんと離れて自分に戻ってしまう、と思っているんです。自分にないキャラクターだからこそ、見た目から変えていって安心感を得ているんですよね」

黒ドレス¥77,000、ウエスタンショートブーツ¥110,000、左手のバングル¥154,000、右手のバングル¥63,800(全てジャンティーク)、リング¥49,500(poda/アトリエ ジムル)

黒ドレス¥77,000、ウエスタンショートブーツ¥110,000、左手のバングル¥154,000、右手のバングル¥63,800(全てジャンティーク)、リング¥49,500(poda/アトリエ ジムル)

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photo:TISCH[MARE INC.] styling:KEIKO MIYAZAWA[WHITNEY] hair & make-up:AYA MURAKAMI model:SATOMI ISHIHARA interview & text:MASAMICHI YOSHIHIRO

otona MUSE 2024年7月号より

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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティー、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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