今季はギャルマインドで洒落る! ヘア&メイクアップアーティスト・林由香里さん的、「洒落顔」キーワード5
「ベーシック」特集をお届けしている5月号、それはメイクも! 純粋に化粧で“盛る”ことを楽しんできたミューズ世代は、あのころのギャルマインドでメイクをすることが、意外にも洒落顔への近道なんです。ビューティ界も長らく続いていたヌケ感至上主義から変化の兆し。今こそ、メイクを楽しもう!
林由香里さんと考える、
ミューズ世代の洒落顔とは?
「過去にギャル文化を経験してきた私たちは、盛ることは抜くこと以上に得意なはず。そんなミューズ世代には、“程よく盛ったメイク”が洒落感の新常識。トレンドも黒マスカラや大粒ラメといった“盛るメイク”が復活しています。そして盛ることは、メイクの基本でもあり本質。色や質感を足すことで、気になるノイズをカバーできたり、若々しく見えたり……。大人にとっていいことずくめ。ただ、若かった当時のようにやみくもに盛るのはNG。洒落感や大人の余裕には、引き続き“さり気ない引き算”がマストです」
ギャルマインド上等!
林さん的「洒落顔」キーワード
しっかり盛っているのに、懐かしさはなく、むしろ“今っぽい”。この絶妙な洒落顔になるために、おさえておきたいポイントはこの5つ!
◆Keyword1
リアルなギャルとは肌状態が違います。
ミューズ世代の肌は何があっても「ツヤ命! 」
一番大事だといっても過言ではないのが、メイクの土台となるベースメイク。こだわるべきは、カバーうんぬんよりも“質感”で、大人はツヤ肌一択です。肌がマットだとそれだけで途端に老けてダサくなる。せっかくの盛りが、頑張ってる感にシフトしてしまうのです。隠すべきところは適宜カバーして、肌全体はみずみずしいツヤ感を意識。そうすれば“盛り感”も懐かしくなりません。
◆Keyword2
ぼやけてくる目力の味方です。
「黒マスカラ」をメイクの相棒に
盛りメイクを牽引するのが黒マスカラ。一度離れ、改めて使うからこそ分かる黒という色の偉大さ。黒マスカラでまつ毛の存在感を高めてあげるだけで、目元がはっきりするし、美人になるし、なんなら小顔にまで見えるし……と、要は簡単・確実に顔が盛れる! さらにまつ毛を王道の黒で締めると、ラインやシャドウメイクの自由度もアップ。カジュアル? モード? どの方向に盛るとしても、黒マスカラがあれば、間違いなしです。
◆Keyword3
かつてのトレンドが嬉しいリバイバル!
大人だって臆せず「ラメで盛っちゃえ! 」
ブームの発端ともいえる韓国ブランドにとどまらず、今季は信頼できる大人ブランドからもラメアイテムが多数登場。そんな最新のラメは、輝きや色みが多様に進化。華美になったり浮いたりせず、大人の顔立ちに必須のツヤやハリ感を演出してくれます。久しぶりのラメに気後れし、控えめに使うと、輝きが逆に悪目立ちして懐かしい顔になりやすいので、臆せず思いっきり楽しんで! 大胆使いするのがオススメです。
◆Keyword4
多幸感もハリ感も必要ですよね。
頰にチークで「血色感、絶対」
全体のバランサー的な役割を担う、キーパーツともいえるのがチーク。リアルギャルだった当時、頰に血色は必要ありませんでしたが、大人の今や血色感は必須。多幸感やハリ感を演出してくれるのはもちろん、盛った目元や口元といったそれぞれのパーツ同士がバランスよくつながるかどうかも、顔立ちに自然になじむかどうかも、実は全てチーク次第! 色みにかかわらず、理想は主役を引き立てるさり気ない血色感です。
◆Keyword5
太さより、大事なのは質感です。
「眉」は敢えての「適当仕上げ」が◎
肌とチークが盛りめのメイクのバランサーなら、眉はハズし。程よく盛り感のあるメイクに、リアルな当時を彷彿とさせるキレイに作り込み過ぎた眉は、懐かしく見えるし、老け見えするし……と、いいことなし! ペンシルを使わず、パウダーとマスカラのみで仕上げて、欠けやムラも味にする。美しく描ける技術がある上で、あえて抜くのは意外と難しく勇気がいること。でもそれをマスターすると、洒落感の大きなアドバンテージに。
次回は、林さんが大人のメイクの8割を決めると話すベースメイクについてレクチャーします。お楽しみに!
photograph:ISAC[SIGNO](model), ASA SATO(still) / styling:CHIAKI FURUTA / hair & make-up:YUKARI HAYASHI / model:YU HIRUKAWA / text:YUKAKO SUGIURA
otona MUSE 2023年5月号より