「スキンケアへの投資は人生への投資」皮膚の変態、大野真理子さんに聞くスキンケア投資の極意
コストパフォーマンスがいいとされるスキンケアや一発逆転を狙える美容医療が席巻し続ける令和の時代に、ハイエンドなスキンケアに想いを寄せ、惜しみなく投資し続ける美肌ホリックの大野真理子さん。その輝きを放つ肌が利回りを体現する彼女に、スキンケア投資の神髄を直撃。見た目を磨く以上の価値が、そこにはありました。
美しい肌は人となりを自然と物語る。
スキンケアへの投資は人生への投資
−美容医療が進化し続ける今、スキンケアに投資する意味をどう捉えますか?
真理子(以下真) シミやシワなどすでに現れてしまったトラブルを処置したり、肌の上に流れている時間を少しだけ巻き戻してくれるのが美容医療だとすると、日々のスキンケアはそのトラブルを予防することだと思います。日ごろからコツコツお手入れを続けていれば、肌トラブルの芽が小さいうちに摘むことができる。たとえ美容クリニックの門を叩くことになってもマイルドな施術でリカバリーできるので、一発逆転を狙うケアよりよほどコスパがいい。だからこそ、毎日使うスキンケアに投資することは、利回りのよさに繋がっていくと私は思います。
−今回セレクトしていただいたスキンケアは、半数以上が俗にいう“名品”ですね。
真 麗しい諸先輩方に愛されてきた名品には、彼女たちの肌を守り続けてきた実績がありますから。それから、自分の肌をワンランク上に引き上げるためには、今の自分に必要なものを見極めることが重要。鏡の中の自分と向き合って、適材適所のアイテムを買い足しながらスキンケアを組み立てると、ケアの効率が上がります。
−真理子様が、スキンケアをする上で大切にしていることを教えてください。
真 3本の軸があるんです。まず第一にエビデンス。配合されている成分とその作用を理解した上で投資するようにしています。あと2つはいかに気持ちにきかせられるかという点と、お手入れしながらストレスをリリースできるかどうか。ストレスは肌トラブルに直結するので、スキンケアには癒やしが必須です。
−ミューズ世代はファッションやライフスタイルも楽しみたいお年頃。投資のバランスをどうとるのが理想ですか?
真 どんなに素敵なお洋服を着てお出かけしても、肌がボロボロではトータルバランスがチグハグになってしまいますから、分散力も大切。でもやっぱり私の中で一番比重を置きたいのは肌。40歳を過ぎると顔の造作より、肌をきちんと管理できる方のほうが魅力的に映る気がするんです。顔を合わせて3秒で決まるという第一印象も左右しますし、ビジネスシーンにおいては肌を整えていることがビジネスパートナーとしての信頼に直結する。年齢を重ねるごとに肌は饒舌になって、その人の人となりを無言で語り出すから、トータル的な魅力を育む上でも、スキンケアへの投資はしておくのが吉です。
真理子様が選ぶ、利回りのいいアイテム3
SENSAI/ローション
夢にまで見たシルクスキンにみるみる近づける珠玉の逸品
感性とテクノロジーの融合でヨーロッパの女性たちに至高の肌を授けてきたローションの実力に真理子様も太鼓判。「この子を1本使いきると自分でも“どうしました?”ってくらい肌にハリが出るのを実感できるんです。しかも、それを視覚で明らかに捉えられるのが素晴らしくて数えきれないくらい何回もリピート。まろやかなテクスチャーでお手入れをしている充足感がある上に、肌の隅々までぐんぐん行き渡ってキメが整列。これで肌の土台を整えておくとこの後重ねる美容液のパフォーマンスがグンとアップ。攻めのエイジングケアなのに配合されている成分がマイルドでどんな日も安心して使えるところも魅力。香りにもうっとり」
SUQQU/クレンジング
スンと研ぎ澄まされたクリアな肌を授けてくれる週1回のスペシャリテ
汚れを落とすだけでなくまっさらな素肌にツヤを宿してくれるワンランク上のクレンジング。「目を凝らしたらようやく見えるほど繊細なホワイトクレイが入ったスクラブタイプは、毎週金曜日の夜、自分への“お疲れ様会”に使用。ゆっくりお風呂に入って温まり、毛穴を開いてから優しくマッサージするように顔全体になじませていくことで、メイクと一緒に不要な角質やザラつきをオフしてつるんとした肌に。毛穴の黒ずみもかき出して肌のトーンアップも叶えてくれるのに、うるおいはしっかり留めてくれるところも天才。クリアな肌があってこそ塗布する美容のパフォーマンスが上がるという意味でも“落とし物”に課金する価値は絶大です」
SHISEIDO/ローション
生き生きと艶めく肌で闊歩したい、ミューズ世代に捧げるマスターピース
“美しさを取り戻すための自己回復力”にフォーカスしたハイエンドな化粧液。「ハンドプレスで押し込むと、濃密でなめらかなテクスチャーがするんと吸収されて、肌の底からふっくらもっちり。大人特有の乾燥小ジワも目立ちにくくしてくれて“塗るボトックス”と名付けたくなるほど。資生堂様が研究に研究を重ねて開発した独自の美容成分“4MSK”配合で、美白とエイジングケアをWでフォローしてくれるところも心強い。パラベンとミネラルオイルフリーの処方でほとんどの肌質にも適応。パッケージもサスティナブルで使用する人はもちろん、環境まで美しくしようとする想いにも胸を打たれます。まさに日本を代表するスキンケア!」
次回もまだまだあるスキンケアマニアの真理子様をも唸らせる、利回りのいいスキンケアアイテムたちの魅力を本人自ら熱弁します。お楽しみに!
photograph:NAE(model), KENICHI YOSHIDA(still) / hair & make-up:MAIKO INOMATA[TRON] / text:RINA ISHIBASHI
otona MUSE 2023年7月号より