梨花×産婦人科医・高尾美穂先生 SPECIAL対談
楽しく、美しく年齢を重ねるために……
結婚、出産、育児、仕事etc. 自分のからだと上手に向き合い、人生100年時代を楽しく過ごすには!? 先日50歳という節目を迎えた梨花さんが、誕生日のイベントで産婦人科医の高尾美穂先生に、自身のエイジングとの向き合い方を赤裸々に聞いたトークショーを誌上レポート。
産婦人科医・高尾美穂先生
Profile_産婦人科医・医学博士・スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。長年ヨガを愛好し多くのヨガインストラクターを指導。
梨花50歳。心やからだの変化は女性ホルモンが影響していた!?
―お誕生日おめでとうございます! 50歳になって、気持ちやからだにどんな変化がありますか?
梨花(以下梨)「単純に、50という数字は視覚的に衝撃ですよね。でも、いますごく毎日は楽しい! 楽しいというか、切り替えたんです。私は子育てや海外移住など、大きなことがいろいろ重なった40代が、とにかく厳しかったんです。とても厳しい40代だったから、50歳からは思いきり楽しもう!というマインドでいたら、今日のような衣装になりました(笑)」
高尾先生(以下高)「とても素敵です!」
梨「とはいえ体調に変化は来ていて、とにかく疲れやすい。昔はもっとタフでした。気持ちは元気でも、からだがついていかない。集中力も続かなくなったし、記憶力だってちょっと……」
高「40代はすごく大変だったとおっしゃいましたが、多くの女性は40代にライフステージの大きな変わり目を迎える方が多いんです。仕事でさまざまな役割を担うようになったり、梨花さん同様に子育てだったり、親御さんの調子が悪くなったりetc. 環境だけでなく、からだも変わる。そのからだの大きな変化は『女性ホルモン』が影響しているということが分かっているんです」
梨「女性ホルモン?」
高「女性ホルモンのひとつ、エストロゲンは、お肌や髪の毛、血管、骨、筋肉、関節、さらに言うと脳や自立神経、メンタルと私たちのからだの働きを調整して守ってくれているんですよ」
梨「脳もですか!?」
高「記憶力や判断力にも作用しています。そんな女性ホルモンは卵巣で作られているのですが、女性ホルモンが“ある状態”から減少していくのが50歳前後の数年間。だから梨花さんと同じようにここ数年で急にガタッと体調だったり、精神的にガタが来たという感覚をお持ちのミューズ世代の方は多いと思います」
―女性ホルモンの低下は、誰にでも起こり得ることだと思いますが、実際どうケアしていけばよいのでしょうか?
高「まず大事なのは、十分な睡眠の確保です」
梨「私、毎日7時間くらいは寝ています」
高「理想的! 睡眠はメンタルや脳の働きに大きな影響を及ぼすことが分かっています。しっかり質のよい睡眠を取れると、翌日ご機嫌に過ごせた経験もあるかと思います。ふたつ目は運動です」
梨「運動をすると、その日の睡眠の質がよくなる気がします」
高「おっしゃる通り。からだを動かすと、気持ちまでスッキリ前向きになりますよね。睡眠、運動、もうひとつが栄養です」
40~50代の女性を救う!? 注目の成分『エクオール』
高「梨花さんは『大豆イソフラボン』が女性ホルモンにイイと聞いたことはありますか?」
梨「はい。納豆など大豆製品を意識的に摂るようにしています」
高「大豆を食べると腸の中で代謝して作られる『エクオール』という成分が、女性ホルモンのエストロゲンによく似ていることが分かったんです。エストロゲンが不足してくると『エクオール』が女性ホルモンに似た作用をして、肌や血管、骨、そしてメンタルの調子に関わってくれるんです。ただ残念なことに、日本人でエクオールを作れる人は2人に1人なんです」
梨「頑張って大豆を摂っても、意味がないってこと!? 衝撃です……」
―自分が作れる体質か、調べられるんでしょうか?
高「専用キットによる尿検査で簡単に分かります。実は私も、作れない体質なんです。4年前に検査をしたら、作れない体質と分かり、粛々と信頼できるサプリメントを飲んでいます。元々サーファーだったこともあって、若いころから紫外線を浴びまくっていたのに、スキンケアには無頓着で。おでこのシワが気になるようになってきたんです。エクオール10㎎を12週間摂取すると、シワの広がりが抑えられるというエビデンスもあるので、続けて飲んでいます」
梨「先生の肌、とてもキレイです」
高「ちなみにお肌の下には何がありますか?」
梨「脂肪があって、筋肉があって、骨……」
高「そう、骨がありますよね。老けてきたと感じると、皆さんスキンケアなどでハリを出そうと頑張りますよね。でも全身の骨の中で一番最初に減っていくのがお顔なんです」
梨「……。ご存じの方もいらっしゃると思うのですが、実は私最近太ったんですね。以前のように体重を戻そうとすると、顔だけがげっそりこけて見えるようになってきて。これはまずい!と思っていたところなんです」
高「骨と聞くと、どうしても手や脚をイメージするので骨粗しょう症など対策はまだ先で……と思いがちですが、実は骨は顔から弱っていくんです。美容面はもちろん、人生100年時代と言われるいま、残りの人生を考えたとき、足腰を含めて全身の骨の強さを保てなかったら自分の望む生活をすることは困難に。この先自分の生きたい人生を生きるためにも、骨に影響する女性ホルモンのケアって本当に大事なんですよ」
―今日はこうして先生に直接貴重なお話を伺えていますが、日常生活での不調とどう向き合っていったらよいのでしょうか?
高「梨花さん、かかりつけ医はいますか?」
梨「私はいないですね」
高「まだそこまで大きく困ることがなかったのだと思うのですが、この先閉経などでエストロゲンが減ってきてコレステロール値が高くなったり、さまざまな不調が増えてくるので、女性ホルモンの知識が豊富なかかりつけの『産婦人科医』を持っておくと安心です」
梨「先生、エストロゲンが減ると太りやすくなりますよね」
高「その通りです」
梨「先ほどもお伝えしたように、昨年から私、痩せにくくなったんです。これをしたら元に戻るという自分なりの方法でがんばっても戻らない。これはまずい!と病院で血液検査をしてエストロゲンの数値を測ってもらったら、そんなに数値は悪くなかったんです。数値は大丈夫なのに太りやすくなったということは……数値が落ちたらどうなっちゃうんですか?」
高「梨花さんの年代って、まだ数値がアップダウンしながら女性ホルモンの量が減っている状態なんです。だからその日はたまたま調子がよかったという可能性はありますね。そういう意味でも、からだの変化の過程を知ってくれている『かかりつけ医』がいると安心ですよね」
―ここまで女性ホルモンとの付き合い方をいろいろと先生に伺ってきましたが、最後に梨花さんが年齢を重ねることと、どう向き合っているか教えてください。
梨「40代を思い返してみると “どうせ……” “私なんて……” というネガティブな発言が多かったんです。キレイになりたいっていう意欲すらもなくなっていた。でも50歳を目前にしたとき、あと私はどれくらい生きられるかな? と『死』のようなものを、具体的にではないけれど、ふと考えるようになったら、このままではちょっと悲しいなって思えたんです。もう1回、自分を立て直したいなって。今までの価値観をいきなり大きく変えられはしないけれど、心地いい私なりの50歳からのキレイや素敵、楽しいを作っていきたいなって思っています」
高「キレイや楽しいって、年齢相応、環境相応、その人らしくあっていいと思うんです。梨花さんが、そして皆さんが思い描く自分なりのキレイを目指して、ここから30年、40年の残りの人生を楽しく過ごしたいですね」
自分らしく美しく、心地よい毎日を送るために……
ミューズ世代の新・セルフケア
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☑ 食事(栄養)対策のひとつとしてサプリメントを摂る
日々のバランスのよい食事はもちろんですが、『エクオール』含有のサプリメントを取り入れることで、40代から急激に減っていく女性ホルモンに似た作用が期待できる。健やかに美しく年齢を重ねるための希望を持てるアイテムを毎日に取り入れて。
☑ 定期的に婦人科の健診・検診を受ける
月経前のPMSや月経痛、妊娠・出産に関する悩み、子宮がんや乳がんetc. 女性にはホルモンと関連深いさまざまなトラブルが起こり得ます。各ステージでからだの変化や不調に早く気づき、病気を未然に防ぐためにも定期的に健診・検診を。
☑ しっかりと睡眠を取り・運動をする生活リズムを
女性ホルモンの低下と上手に付き合うために、生活習慣の中で最も大事なのが十分な睡眠と適度な運動。世界的に見ても日本人女性の睡眠時間は短いことが分かっています。日々の生活を充実させるためにも、質のよい睡眠の確保を。
☑ パートナーとなるかかりつけ医を持つ
月経周期や更年期といった女性ホルモンの変動によって生まれる不調は、その変化に詳しい専門家の「産婦人科医」に相談を。変化の過程を知ってもらうためにも、かかりつけ医を持つことで、日々に大きな心強さが生まれます。
photograph:KAORI IMAKIIRE styling:TOMOKO KOJIMA(Rinka) hair:KOICHI NISHIMURA[VOWVOW](Rinka) make-up:MIKAKO KIKUCHI[TRON](Rinka)
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