【友利 新 × 岡田知子スペシャル対談】美肌作りの名手による、ミューズ世代のスキンケア談義
自ら“友利先生のYouTubeのヘビー視聴者”と名乗るヘア&メイクアップアーティスト岡田知子さんのリクエストから、友利先生との対談が実現。それぞれ異なる立場から美容と肌に向き合ってきた、そして同い年のミューズ世代である2人が、美肌のために今、やるべきスキンケアから美容医療までを語り尽くしたリアルなトーク、必読です!
“なんとなく”でいないために
YouTubeは知識を伝える場所
お互い 雑誌で見てます!(笑)
友利先生(以下T) 同じ美容の仕事をしていますけど、ちょっと違うジャンルだから、お会いする機会は実はなくって。
岡田さん(以下O) 近いような遠いような存在というか。実は、先生のYouTubeを見始めたきっかけは、ある時期「化粧水って水だからいらなくない?」って質問をすごくされたことなんです。体感では絶対いるものだと思いつつ、でもそれってなんでだろうと思ったときに、YouTubeで先生がバシッと語ってらして。
T そうなんですか? 嬉しい!
O 肌質や水分保持量の違いとか、すごく分かりやすくて。この知識を得られたらもっと美容が楽しくなると思い、お勉強の意味も込めて、ヘビー視聴者です。
T YouTubeを始めたのは、世の中にはすごくたくさんのいい化粧品があるのに薬事やいろいろな制限があって、本当のよさってなかなかきちんと伝えられない。それと、今SNSも含めてたくさんの美容情報が氾濫していて、正しい情報もあるけど適当な情報もある。そういうモヤモヤがあって、話す場所を探していたんです。
O そうだったんですね。
T 例えば、「ミネラルオイル」として表記される名前が一緒でも、成分にはランクがあって。ランクの違いが価格の違いに繋がってくる。でも、こういうことって、知る機会がなかなかない。知った上で選択するのか、知らずに選ぶのか。ならば、知らないでいるのはもったいないから、そういう知識を伝えたいなって。
O それを無料で見られるというのが教科書としてすごい。だから、先に話した「化粧水いらないんでしょ?」への回答は、とりあえず先生の動画見て、って(笑)。
T ありがとうございます(笑)。
O スキンケアもそうですが、なんとなくの行動はもったいないですよね。洗顔ひとつとっても、先生の動画を見ると、する意味や理由が分かって丁寧にやるし、そうすると効果も上がっていく気がします。
T 面白いデータがあって。同じ化粧水を「これすごくいいですよ」と渡すのと普通に渡したものでは、いいですよと渡した化粧水を使った人の方が肌の水分量が上がったんです。それって、「これいいんだ」と思いながら使ったり、ならば丁寧につけようって使い方が変わったり。マインドや行動が変わることで、肌も変えられるんです。
O 20代の肌そのものにポテンシャルのある時期ならなんとなく使っていてもリターンがあるけど、それが難しくなってくるミューズ世代、知識とともに肌とマインドに理させるのも大事ですね。
美容の知識は必ず自分に返ってくる。
大人こそ、その選択眼が必要
T それともうひとつ、「誰々がいいと言っていた」からだけではなく、それを30代40代の自分が使おうとしたとき、本当にそれが自分に必要なのかの選択も知識があればできる。憧れで選ぶのも素敵ですが、知識でチョイスしてもらいたいと思っています。
O 自分への俯瞰の視点が持てますよね。私、サーフィンが好きで見ての通り日焼けもするんです。日焼けが肌によくないことは知っていても、太陽と仲よしなほうが心もからだも調子がいい。そういう生活の中で必要なケアが何かというのも先生のYouTubeで新たに学んで。築いてきた自分らしい生き方の中で正解を見つけるのも、“知ること”から始まるなと思います。
T 私はしつこく日焼けはダメダメと言っていますが、NGでがんじがらめにしたくはないんです。でも、なぜ日焼けがダメなのかと分かっていれば、日差しを浴びた後どうケアすればいいかもわかる。やっぱり、一番はその人の人生が楽しいこと。肌が白くて透き通っているほうが気持ちが上がる人もいれば、サーフィンして焼けちゃうけど、そのほうが気持ちが上がるならそれに対応するケアをすればいい。全員が同じことをする必要はないけど、基礎は変わらないので、それを知ってほしいと思っています。
O 分かっていれば、ある種の罪悪感もなくなるというか。
T 岡田さんは小麦肌だけど、色ムラがないですよね。人が「あれ?」って気になるのは、色みではなく色ムラなんです。
O え、それ面白い! 聞きたい!
T 日焼けでダメなことのひとつが、シミやくすみなどによる色ムラができること。ベースの肌色の明るい暗い関係なく、均一の色であれば人はキレイだなって思うんですよ。岡田さんが色ムラがないのは、日焼けをされていてもしっかり炎症対策をしていたりムラができないように排出系のケアをしたり、肌が根本的に元気になるようなケアをされているから。その人のベースの色を生かしつつ、ムラがないようにケアするのが、とても大事なんです。
O そこ、ミューズ世代にぜひ知ってほしい! あと、年齢的に美容医療との付き合い方も聞きたくて。私個人は美容医療をちょこちょこ入れるほうが、40代を歩んでいく中で必要だなと思っているんですが、それってどうですか?
T もちろんありです。ただ美容医療も魔法ではないので、3カ月に一回施術をするからその間は適当でいいかというと、それはもちろんダメなんですよ。美容医療はあくまで日々の積み重ねに後押しをするものだから、ベースができてないところでの後押しは効果を発揮できないし、そうなると長続きもしない。そして美容医療はどんどん進化していて、昔は機械を複合的に使ってはいけないと言われていたんですが、今は真皮と表皮にきくものは違うので、同じ日にそれぞれに適切なものを当てるべきだと考え方も変わって。もちろん、そこは技術の進歩とセット。化粧品と同様に、最新のものが一番進化しているから、「絶対にやって」とは言いませんが、うまい付き合い方は知ってほしいですね。
O やっぱり知識って大事なんですね。
T ただ少し怖いのはSNSが進んでいるから、「SNSで見たこの施術をやりたい」ってクリニックに来る方も多い。先ほどの化粧品の話と同じで、SNSで流行っていても、それが自分に必要とは限りません。そこはきちんと医師と話し合って欲しいですね。
O 何が自分に必要なのかを素直な気持ちで聞くのがいいですよね。
T そう。「あれをしたい」じゃなくて、「こんな悩みがあるんです」でいいんです。自分主体で伝えてくれれば、何が必要か見極めるのは、医師の仕事ですから。
O メイクもそうですが、あくまで美容は自分軸。知識もそのためのものですよね。
T これは父からの教えなんですけど、知識だけは誰にも盗まれないし、知識は必ず自分を助ける。子どものころはふーんと思っていたけど(笑)、美容の知識は必ず自分に返ってくる。ぜひ皆さん、学びながら楽しく美容と付き合ってほしいですね。
次回は友利先生が教える、正しいUV対策についてご紹介します。お楽しみに!
photograph:nae / hair & make-up:KYOKO SUZUKI(tomori) / text:ATSUKO WATANABE
otona MUSE 2023年9月号より