香水選びは人生観&恋愛観とリンクする? 肌になじんでさりげなく香る、理想の新作香水3選
【ライター新田晃代の11月の偏愛アイテム】
記憶と結びつく嗅覚。香り選びの重要性
世界的に見て、日本は香水を使う人がまだまだ少ないといわれていましたが、コロナ禍でフレグランスの売り上げが急増したのだそうです。自分と向き合う時間が増え、香りを楽しむようになったということですね♡
個人的な話になりますが、小学生のときに発売された「恋コロン 髪にもコロン ヘアコロンシャンプー(覚えてる方います?)」で香りに目覚めたワタクシ。ドレッサーにしまってある母の香水をこっそり拝借してつけてみたこともあります。スーパーで買ってもらった「エクボ フレッシュアップ コロン」が宝物でした。どんな香りだったか、今でもおぼろげですが覚えています。
ご存知の方も多いと思いますが、香りと記憶は密接に結びついています。特定の香りによって、懐かしい記憶や当時の感情が蘇るほど、香りは人の心に深く刻まれるもの。そんなことを本能的に知っていたからか、この仕事に就く前から香水選びには、こだわりがありました。
トレンドの香りを愛用した時期もありますが、途中から人とかぶらない香りを探して、日本未発売フレグランスを海外から取り寄せたことも。「香りは自分のアイデンティティ!」といわんばかりに、ずいぶん個性的な香りに手を出したことも。香り上級者を気取って間違った自己主張をしていた「香害」一歩手前の黒歴史ですw
フレグランス選びには人生観が現れる!?
そんな私も、ナチュラルな精油の香りの心地よさを知ってからは、人工的な香りよりも優しく自然に香り立つものを選ぶようになりました。
ところで、ずっと長く愛用しているお決まりの香りがある人って、男女問わずとても素敵だなーと思いませんか? 安定感があるというか、地に足がついた感じがしてとても憧れます。残念なことに私は、まだそういう香りに出会えていないだけなのか、それとも単に飽き性だからなのかはわかりませんが、定期的に香りをアップデートする派。今のところ、過去に愛用した香りに戻ることもありません。香り選びって、なんだか人生観や恋愛観と通ずるところがあるな……と思ったり。
さりげなく香るお気に入りのフレグランス
そしてつい最近、秋冬に向けて香りをアップデートしたところです。今シーズンは1つの香りに絞りきれず3つの香りをローテーションで使う予定です。どれも上品で優しい香り立ちで、周りにも不快感を与えない心地よさ。ひとつずつ紹介していきますね!
1:自分に自信を与えてくれるスモーキーウッディな香り
まずは、オーガニックとサイエンスを融合したメMADE IN JAPANのプロダクトを展開する「シン ピュルテ」の「シグネチャーパフューム/SELF EMPOWERMENT」。 “纏う人すべての個性を解き放ち、より際立たせる”がコンセプトで、脳波解析のエビデンスに基づいた3種の香りがこの秋発売になりました。
私がチョイスした「SELF EMPOWERMENT」はローズマリーやタイムなどのハーブの香りからはじまり、少しずつ温かみのあるサイプレスが顔を出し、ラストはベチパー、乳香、モスへとウッディノートに変化していきます。ほどよくスパイシーで強さがあるのに決して重くない絶妙なバランス。「SELF EMPOWERMENT」というネーミングどおり、勇気や自信が欲しいとき、お守りのように身につけたいな……と。
2:透明感のある白い花々の香りで心を潤わせて
続いてこちら。「自然・効果・五感」をキーワードに、植物の力をコンダンセ(凝縮)した結果にこだわるブランド「コンダンセ パリ」。パリの秘密の名所にインスパイアされたフレグランスが今年の7月に4種、そして10月に3種の日本に上陸したばかり。
10月に上陸した香りの中から「モンソー公園の芳しい夢想」をセレクトしました。まず、ネーミングが素敵じゃないですか? そしてスズランやピオニー、ジャスミンなどの白い花々の香りが、なんとも儚げでキュンときました。エレガントさや華やかさもあるのに決して出過ぎず品がある。香りを嗅ぐだけで気分はパリの令嬢ですよ! 冬の冷たい空気と相性がよさそうなので、コートの内側に仕込みたい。脱いだときに、フワッとこの香りが漂うと心が潤いそうだなー、なんて。
3:リラックス感のあるウッディで心を穏やかに
3つめはニッチフレグランスブランド「フリーシェイプ ミラノ」の「OM―宇宙の音―」。このブランドは「サロン ド パルファン 2023」で国内デビューしたばかりなので、人とかぶらない香りをお探しの方にもおすすめです。7種の香り展開ですが、全部いい香りでどれにしょうか、とても迷いました。
「OM―宇宙の音―」は、イランイランやスズランなどの花の香りからミルキーさのあるウッディへと穏やかに変化します。肌にお香のような柔らかな香りが残り、緊張がほぐれていくようなリラックス感あり。クールな見た目のブラックボトルとのギャップも好き。香り立ちはマイルドですが、エキストレドパルファムと呼ばれる最も香料の濃度が高いタイプのフレグランスなので、香り持ちは抜群。優しい香りが一日中続くのはうれしいポイント。
3つとも強い主張はなく、近寄ったときにふんわりと品よく香るところがお気に入りです。このフレグランスのように、控えめなのに存在感があり、そして心地よい。そんな人でありたいという願望が選ぶ香りにも現れているのかも? あわよくばこの中のどれかが、自分の永遠の香りになったらいいなーなんて。目指せ、地に足のついた女!
text:AKIYO NITTA