岡田知子さんがアンサー。トレンドメイクと大人のたしなみの正しいバランスって?【メイクアップ編】
刻一刻と変化するトレンドのエッセンスを加えながら大人の洒落顔を導き出してくれる美のスペシャリスト・岡田知子さん。そんな岡田さんに小誌アラフォー美容担当・智子が、春のトレンドメイクと大人の女性のたしなみのバランスにまつわる悩みを相談。岡田さんのオススメコスメとアンサーは必読です。
ポイントをおさえてメイクすれば
大人だって冒険していいんです
編集部・智子(以下智) スタジオに春新色がズラリと並んでいるのを見るとメイクしたい気持ちがウズウズ。テンション上がっちゃいます。
岡田知子(以下知) 分かる〜。SUQQUの“私色”に染まれるチークにきゅんとしたし、シャネルの°N1シリーズのチーク&リップが洒落感と使いやすさを兼備してるのにも感動したよね。
智 この春も心躍る色やアイテムがオンパレードですよね♪
知 RMKのリニューアルもかなりツボだった。
智 私もです。でもその一方で、年齢的には立派な大人の女性の私が、どのくらいパヤついていいのかが判断しにくくなっていて、頭を抱えている自分もいるんですよね……。
知 その悩み、最近よく耳にするかも。私は基本メイクもファッションも自由なマインドで楽しんでいいと思っているの。むしろ年齢に関係なくメイクを冒険したい気持ちがあるのって素晴らしいことだと思うからどんどん挑戦してほしい! でも、社会と接していく中でひとつだけ基準を設けるとしたら、目上の方が見たときの自分ってどう見えているんだろうっていう視点を常に持っておくことが大切なんじゃないかな。
例えば、ちょっとエッジのきいたメイクをしたときに、30代前半までなら「今はそういうのが流行ってるんだね」っていうリアクションをもらえていたものが、40代前後になると「そのメイクどうしたの?」って言われるようになってしまう。大人の女性のたしなみとしてそのことは念頭においておいたほうがいいかもしれないよね。
智 確かに。私、この春はカラーマスカラを絶対に買い足そうって心に決めてたんですけど、アラフォーを自覚してやめたほうがいいですか……?
知 カラーマスカラは色の選び方さえおさえれば全然OKだと思うよ。
智 SNSでよく見かけるベージュのマスカラが気になってるんですが……。
知 あー! それはなんとなくだけどやめたほうがいいかも(笑)。ベージュってそもそも締まらない色だし、ちょっとだけ白髪を連想させるから、大人がまつ毛に塗ると印象がぼやけるわ、見た目年齢が上がるわで、もう大変。あと、大人でおしゃれを頑張り過ぎてる人ってなぜだかダサく見えるんだよね。ハリボテ感が出ちゃうっていうか……。
智 逆にオススメの色ってあります?
知 アンプリチュードの赤とかいいと思うよ! 赤みって体温を上げて見せてくれるから表情が生き生きするの。
智 ちなみに、どういう塗り方がいいとかあります?
知 上下どっちもだとトゥーマッチになっちゃうから、どちらか片方がバランスいいかもね。カラーマスカラを塗らない方はサラッと黒を塗るくらいでいいかも。新作でいうとエレガンスのブラックはよかったよ。アイシャドウもベージュブラウンとかまぶたになじむくらいの色に引き算すると力んでる感じがしなくていいと思う!
智 ちなみにそのときまつ毛をビューラーでカールさせてもいいものですか? 質問責めですみません(笑)。
知 ある程度カールアップさせてもいいと思う。定番だけど資生堂のビューラーはまつ毛のキャッチアップ力が絶妙で使いやすいよね。カールをナチュラルに仕上げてもらえるならまつ毛パーマもありなんじゃないかな。
智 やっぱりそうですか? 私の周りには東銀座にある「ELRe」でパリジェンヌラッシュリフトをしてる人がうようよいます。
知 ビューラーでまつ毛が減るリスクもかなり減るし、朝のメイクが時短になるのもいいよね。
智 寒色もトレンドじゃないですか?
知 よくぞお気付きで。でも大人になるほど顔に取り入れにくいから涼やかなブルーは指先に召しませ♡ アンプリチュード、ルナソル、THREEにいい色あったよ!
智 あとはやっぱりキラキラも好きだったりするんですけど、大人もキラキラしていいものですかね?
知 もちろんアリだけど、大人はアクセっぽく使うのがいいんじゃないかな。まぶたや涙袋に大胆にのせるよりは眉や目のまわりにピンポイントで使うとこなれ感、出るよ。ジルのラメ入り眉マスカラをサラッと重ねるでもいいし、ルーティスのグリッターライナーみたいなアイテムを目尻だけとか、上まぶたの中央だけに一点ポンッてのせてあげるくらいがちょうどいいかな。ちょっと動いたときチラッときらめくくらいがハイセンスに映る気がする。
智 ちなみにその理論でいくとカラーライナーも目尻だけにピッ、みたいなピンポイント使いがよさそうですね。
知 まさに、ピンポン!
智 やった♡ ヴィセ リシェのアンティークカラーシリーズがどれも気の利いたニュアンスで大人買いしたいなって思ってて。
知 私もあれ大好き! オレンジとグリーンは撮影の現場でもヘビロテしてる。
智 あと、そうだ! 下まぶたのインサイドにベージュや白のアイラインを引くのって今でもありですか? 目が大きく見える気がしてついついやりたくなっちゃうんですよね。
知 いいと思うけどマットな白やベージュより薄いピンクがオススメかな。エクセルの新作のアイシャドウペンシルも、よかったよ。
智 早速チェックしてみます。それから今日は眉毛をピンクにしてみたんです。ズバリ、いかがでしょうか?
知 それ、ジルの眉マスカラ?
智 はい! 師匠、さすがですね。
知 師匠って……(苦笑)。軽やかで可愛いと思う。ピンクのカラーマスカラはブラウンのパウダーとも肌色とも好相性だから意外とオンオフ問わずに使えてマルチなんだよね。大好き♡
いかがでしたか? 次回は、洒落顔づくりの土台となるスキンケアやベースメイクに関するお悩みトークをお届けします。
photograph:KAZUKI TAKAHASHI[KONDO STUDIO] / text:RINA ISHIBASHI
otonaMUSE 2022年3月号より