小田切ヒロさんからミューズへ。
美しく生きるためのヒント11
真の美しさとは、その人の生き様や心模様から醸し出されるもの。経験を重ねた大人だからこそ、手にすることができるキレイのあり方をヘア&メイクアップアーティスト・小田切ヒロさんが手引き。
ヒント1
美容も、ボーダレスの時代です
「ボーダレスという概念がやっと美容にも浸透してきました。そのことを象徴するブランドがこの春デビューする『ness』。インテリア、ファッション、コスメの3つのカテゴリーが融合されたブランドで、まずはスキンケアがリリースされるの。人から見てどうなのか、ではなく、自分が使っていて心地いいことをファーストにしているコンセプトも時代に寄り添っていて素敵。もちろんジェンダレスだから、パートナーとシェアするのもいいと思います」(小田切さん、以下同)
ヒント2
コスメを選ぶ新基軸は「心地よさ」
「これまでコスメを探すときっていかに“よい物”かにフォーカスしていたと思うんですけど、これからは“自分物”探しが基軸になると思うんです。一般的な効果実感よりも、自分が使用したときいかに心地よく感じるか、という点を大切にすると、肌と心の豊さが加速すると思います。ジェンダーやジャンルの垣根を超えて、格段にキレイになるよりも“なんかいいじゃん”みたいな軽やかなテンションを大切にしながらコスメを買い足していくと、いつの間にか快適さの中に身を置く毎日が訪れるんじゃないかな」
ヒント3
品格を醸し出すパーツ、それは「唇」
「唇は品格が宿るパーツ。いつでも潤いで満たしていてほしいけど、忙しない毎日の中でそこまで手が回らないのもきっと本音ですよね。そこでオススメしたいのがタッチャのレッドカメリアのリップマスク。ほんのり血色感が出るタイプでメイク感を演出しながら潤いをチャージできるからマスクの中の忍ばせケアにもぴったり。視覚的にも唇の赤みをキャッチすることで女性ホルモンが満たされるから不思議と自信も湧いてくる」
ヒント4
女性は鉄を摂りましょう
「毎月生理が来る女性は、ただでさえ鉄が不足しがち。貧血は健康と美容の大敵だから、サプリメントで補う習慣をつけるのがいいと思う。私が愛飲しているのがこの『フローラディクス』。鉄以外にもビタミンB群が高濃度で配合されていて、心もからだもすごく前向きに。私は寝る前に20mL飲むようにしてるんだけど、女性は朝晩2回飲むのがいいかも。主成分がノン・ヘム鉄でからだに不要な分が自然と代謝される上に、合成甘味料や着色料、保存料フリー。毎日飲み続けても安心なんですよね」
ヒント5
「上げコスメ」を必ずひとつ持つこと
「気分が上がるコスメがひとつあるだけでメイクのクオリティが格段にアガるんです。コレ、嘘みたいな本当の話。私の中の上げコスメはエルメスのハイライターなんですけど、パッケージを眺めているだけで上がるし、光が欲しいところにピンポイントで足すだけで上半顔がリュクスなオーラをまとった仕上がりになるところが大好き。アイテムはなんでもいいの。ハートを撃ち抜かれるコスメに出会ったら、迷わず手に入れることをオススメします」
ヒント6
ハチミツを、もっと身近な存在に
「からだを内側から守ってくれたり、美しさを高めてくれたり、心身を癒やしてくれたり……古来からあらゆるパワーが秘められているといわれるハチミツを生活に取り入れることで、ライフスタイルが豊かになると思うんです。こちらの『Tamitu』のハチミツは伊勢神宮にも献上されている由緒正しい水谷養蜂場のもの。奥深い味わいでサラサラしていてシャインマスカットとブラータチーズにドバッとかけていただくのが至福」
ヒント7
ケアの優先順位は、1.からだ→2.頭→3.顔
「今って空前の美顔器ブームだったりするからつい飛び付きたくなってしまうけど、ミューズ世代は顔だけにフォーカスしたケアはNG。なぜって、大人になると顔の悩みは全身とつながっている場合がほとんどなんです。適度な運動を取り入れたり、からだが喜ぶものを口にしてメンテナンスするだけで輪郭のシャープさも肌の血色感も戻ってくるはず。次にケアしてほしいのが頭。頭皮をほぐしてコンディションを整えることもリフトアップにつながります。ここまできてさらに、と思ったら初めて美顔器の力を借りるくらいのスタンスがいいと思う」
ヒント8
香りを纏う。そこまでがメイクです
「香りはいつもドラマを運んできてくれる。メイクで表面的な美しさを整えることも大切だけど、そこに素敵な香りを寄り添わせることで情緒と深みを授けてもらえるから、お出かけ前にお気に入りのフレグランスを纏うことはすごく重要。時折人生を振り返るときに、思い出とリンクしてタイムスリップさせてくれるところも憂いがありますよね。そして、香りの数だけドラマは生まれると思うんです。私のお気に入りは、マドエレンのテレノアよ」
ヒント9
眉もなりたい形にスタイリングして
「いきなりですけど皆さん、眉毛をスタイリングしてますか? メイクをする前のベース作りで仕上がりが格段におしゃれになるから、ファッション感度の高いミューズ読者の皆さんにはアイブロウジェルで土台を整えるというプレパレーションをルーティン化してほしいと思います。やり方は意外と簡単で、付属のスクリューブラシで眉全体にジェルをサーッとなじませてから、いつものステップに移ればOK。眉毛がスーッと立った旬のフェザーブロウの完成です。ちなみにコレ、海外のファッショニスタの間では常識。皆さんも颯爽と後に続いて!」
ヒント10
かかりつけの植物療法士を持つこと
「年齢を重ねるにつれ、なんとなくの心とからだの不調に遭遇して戸惑うこと、ありますよね。そんなとき、すぐに相談できる植物療法士さんがそばにいてくれるとすごく安心。僕は下北沢の『ネロリハーブ』さんにお世話になっているんですけど、体調やメンタルに合わせてパーソナルなハーブティーやアロマフレグランスを調合してくださってすごく助けられています。植物療法は海外では処方箋が必要なくらい大きな効果が期待されているもの。日本の女性にもぜひ日常的に取り入れてほしいと思います」
ヒント11
一生もののアイテムを
ひとつずつ集め、育てていく
「ファッションもインテリアも一生大切にできるアイテムを集めていくのも大人の嗜み。本当に上質で心地のよいものを勇気を出して少しずつ買い足し、時間をかけて大切に使いながらじっくり育てていく。そのプロセスも大人の階段をのぼるという意味でドラマティック。そんな想いから、清水の舞台から飛び降りる気持ちでブルネロ・クチネリのコートを購入。ブランドの概念に心が震えて、いつかレイヤードしたコーディネートをするのが夢。これから1点ずつ集めていって、白髪の紳士になったとき、本当の意味で着こなせている自分になりたい」
いかがでしたか? 大人だからこそできる美への追求、小田切さんのフィロソフィーを日々の参考してみてくださいね♡
photograph:ASA SATO, MAYA KAJITA[e7](still) / text:RINA ISHIBASHI
otonaMUSE 2022年4月号より