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よしひろまさみち

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第81回ヴェネツィア国際映画祭最高賞受賞。巨匠ペドロ・アルモドバル監督が描く『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』の見どころは?

ザ・ルーム・ネクスト・ドア

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ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』

ザ・ルーム・ネクスト・ドア

story 重病で死期を悟ったマーサ(T・スウィントン)は、安楽死を決意。旧友イングリッド(J・ムーア)に、最期まで隣の部屋に住み込んでほしいと懇願し、安らかな数日を過ごすのだが……。
監督:ペドロ・アルモドバル/原作:シーグリッド・ヌーネス/出演:ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、ジョン・タトゥーロ ほか/配給:ワーナー・ブラザース映画/公開:現在、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー中
© 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
© El Deseo. Photo by Iglesias Más.

★アルモドバル好きな方へ★

スペイン映画の巨匠ペドロ・アルモドバル! だーい好き。あらゆるマイノリティに映画で光を当て続けているだけじゃなく、圧倒的に美しい映像と物語で彩ってくれるんだもの〜。一番有名なのは『トーク・トゥ・ハー』(02)や『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)だけど、2000年代以降の作品はほんっと彼が好きなことをやってる感があっていいのよ〜。ほぼ自伝の『ペイン・アンド・グローリー』(19)とかハチャメチャコメディの『アイム・ソー・エキサイテッド!』(13)とか。ここまできたか、って思ったのは短編『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』(23)ね。なんでそう感じているかってのは、観てもらえれば分かるわよ〜ん。で、そんなアルモドバル先生が、初めて全編英語で長編に挑んだのが最新作の『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』。第81回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞をゲットした傑作ね。おかわりしてきたわ。


安楽死を決めた女性と彼女に寄り添って最期まで付き合う親友との異色友情物語。これだけだとすっごく重そうでしょ? 全然重くないどころか、なんならちょっとしたユーモアもあって、軽妙ほっこりなのよ。んでもって、すごかったのはアルモドバル先生の手腕だけでなく、ほぼ2人芝居をこなしたティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーア。特にティルダ様の死相演技にはぶっ飛び。メイクのおかげってのもあるけど、本当に死んじゃうんじゃないかって不安になるほどなの。そんな彼女に寄り添うジュリアン・ムーアの友愛に満ちたお顔ったらもう……。満腹でございます。

ザ・ルーム・ネクスト・ドア

緊張感が薄れるのはこのシーンくらいかしらね

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ティルダ様とジュリアン様、同い年なんですよ

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中年以上は絶対観て。ヤバエモいから

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よしひろまさみち/映画ライター

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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