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よしひろまさみち

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知られざるバチカンの裏側を描いた映画『教皇選挙』は、現実とリンクする今こそ絶対に観たい1本

知られざるバチカンの裏側を描いた映画『教皇選挙』は、現実とリンクする今こそ絶対に観たい1本

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『教皇選挙』

知られざるバチカンの裏側を描いた映画『教皇選挙』は、現実とリンクする今こそ絶対に観たい1本

story ローマ教皇が逝去。新教皇を決めるため、世界中から枢機卿がシスティーナ礼拝堂に集まる。票が割れて定まらぬなか、選挙の仕切り役を務めるローレンス枢機卿(R・ファインズ)はバチカンを震撼させるある秘密に直面する。

監督:エドワード・ベルガー/出演:レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ ほか/配給:キノフィルムズ/公開:現在、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー公開中 © 2024 Conclave Distribution, LLC.

★イケオジ好きな方へ★

おっさんしか出てこないバチカンのお話、と、非常に地味テーマながらも、物語のおもしろさから大ヒットしている『教皇選挙』。じつはすでに5回くらい観ているんですが、やっぱりおかわりしたくなっちゃったので劇場へレッツラゴー。


いや、マジでこれストーリーが完璧過ぎるんですよ。コンクラーベ=教皇選挙は閉鎖したシスティーナ礼拝堂で世界中の枢機卿が投票選挙してるって情報だけで、中では何が起きてるか分からない。あたしらが知るのは、白い煙が出た新教皇誕生の瞬間からじゃないですか。しかもこれ、原作小説もこちらもフィクションなんで、何が起きてもいいわけですよ。静かな投票の繰り返しと思いきや、男しかいない権力争いでの意地汚さやら根回しやら、そりゃもうサスペンスフルでしてね。で、絶対に言えない大オチは、仕切り役のローレンス枢機卿が最後に見せる「あぁ〜……」っていう顔のとおり、世界最大の保守層に真っ向から喧嘩を売るという代物で。まさにサスペンス・スリラーの一級品。しかもですわ。真っ赤な法衣だらけのビジュからしてビューティフォーなんですけど、芸達者なおじさま俳優しか出てこないので、イケオジのドミノ倒し状態。もう一回くらい観ておこうかしら……。

知られざるバチカンの裏側を描いた映画『教皇選挙』は、現実とリンクする今こそ絶対に観たい1本

セットも衣装もすごいの。圧巻

知られざるバチカンの裏側を描いた映画『教皇選挙』は、現実とリンクする今こそ絶対に観たい1本

真ん中のテデスコ枢機卿が超くせ者ですが、いいキャラなのよ〜

知られざるバチカンの裏側を描いた映画『教皇選挙』は、現実とリンクする今こそ絶対に観たい1本

シスター・アグネス、ほぼ「家政婦はみた」

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よしひろまさみち/映画ライター

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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