「女性キャラの描き方に気を配った」
映画『バズ・ライトイヤー』の
プロデューサー、ギャリン・サスマン
が語る撮影秘話
今月のシネマミューズは、現在公開中の映画『バズ・ライトイヤー』のプロデューサー、ギャリン・サスマン。撮影秘話を語ってもらいました。
女性キャラの描き方にも注目を
ピクサー・アニメーション・スタジオの名作『トイ・ストーリー』シリーズのメインキャラ、バズ・ライトイヤーは、ご存知の通りおもちゃ。でも、おもちゃになるには元のネタがある。カウボーイ人形のウッディがテレビ番組の人気キャラクターだったのと同じように、バズにもその元となる映画があったはず。そうやって生まれたのが『バズ・ライトイヤー』だ。「バズは実写のSF映画の主人公だったのよ」と語るのは、プロデューサーのギャリン・サスマン。
「バズはSF映画のヒーロー。とにかくかっこいいキャラクターにしないと説得力がないわよね。とはいえ、これまでのおもちゃのバズのイメージも崩すわけにはいかない。そうして決まったデザインがこのルックス。声を担当するクリス・エヴァンスのイメージに近く、かっこいいだけじゃなくてキュートなのよ」
バズは凄腕レンジャーだが、自分の力を過信しているところがあり、そのせいで1200人ものクルーを巻き添えに危険な惑星に不時着。全員を地球に帰すためのミッションに取り組むバズが描かれる。宇宙が舞台になるため、スタッフ全員でNASAをはじめ関連施設へのリサーチを行った。
「NASAやスミソニアン博物館でこれまでの宇宙計画で使われた機材や宇宙服などを見せてもらった。それだけじゃなく、ルーカスフィルムのアーカイブにも入れてもらって、『スター・ウォーズ』シリーズで使われたガジェットなども調べさせてもらえたのよ。あれは感動的だった。実際に手にして感触などを確かめることができるなんて思ってもみなかったし、その経験のおかげでこの作品に出てくるものをリアルに描くことができたわ」
男子向け、のように見える本作だか、じつは女性スタッフが多数関わり、多くの配慮がなされている。
「女性キャラの描き方について気を配ったわ。幸運なことに、私を含めピクサーには大勢の女性スタッフがいるし、リサーチでは女性のパイロットやクルーにも会って話を聞くことができた。そのおかげで、現代的な価値観に基づく女性像を描くことができていると思う」
『バズ・ライトイヤー』
text : MASAMICHI YOSHIHIRO