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「王道のエンタメを照れずに堂々とやりたい」限界突破の佐藤健が拝めるNetflix『グラスハート』は7月31日配信!

「王道のエンタメを照れずに堂々とやりたい」限界突破の佐藤健が拝めるNetflix『グラスハート』は7月31日配信!

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2025年7月31日からNetflixで世界独占配信! 佐藤健、宮﨑優、町田啓太、志尊淳、菅田将暉と、今の日本を代表する超豪華俳優陣が名を連ねているだけでなく、1年以上の歳月をかけ楽器演奏に挑み、歌い、さらには実際にバンドデビューまで果たすというこの前代未聞のプロジェクトが話題沸騰のNetflixシリーズ『グラスハート』。配信を前に、映画ライターのSYOさんに解説していただきました。

Netflixシリーズ『グラスハート』7月31日世界独占配信スタート!

俳優業はもとより、アパレルブランドの立ち上げやYouTubeチャンネル、公式LINEを運営するなど多角的に活動している佐藤健が、新たなチャレンジに乗り出した。主演・共同エグゼクティブプロデューサーを務めて小説「グラスハート」シリーズ(著:若木未生)を実写化したのだ。なんと自らパイロット映像(制作するかを判断するためのテスト映像)を制作し、Netflixに企画を持ち込んだという気合いの入りようで、脚本制作や各種の打ち合わせ、スタッフィングやキャスティングに至るまで幅広く関わっている。かつ、彼が本作で演じるのは天才作曲家・藤谷。人々を熱狂させるメロディを生み出せて、どんな楽器も演奏でき、ボーカルもこなせる“先生”を吹き替えなしで演じている。

Netflixシリーズ『グラスハート』7月31日より世界独占配信

出演:佐藤健 /宮﨑優/町田啓太/志尊淳/菅田将暉
唐田えりか/髙石あかり/竹原ピストル/YOU
藤木直人
原作:若木未生/「グラスハート」シリーズ(幻冬舎コミックス刊)
監督・撮影:柿本ケンサク
監督:後藤孝太郎
照明:森寺テツ
プロダクションデザイナー:延賀亮
録音:大堀太輔
音楽プロデューサー:山田勝也
VFXスーパーバイザー:吉川辰平
脚本:岡田麿里 阿久津朋子 小坂志宝
エグゼクティブプロデューサー:岡野真紀子
共同エグゼクティブプロデューサー:佐藤健
プロデューサー:アベゴウ 
ラインプロデューサー:櫻井紘史
制作プロダクション:ROBOT
製作:Netflix

これまでとは異なる純度120%×「ここまでやるか」な限界突破の佐藤健が拝めるというだけでも、十分に魅力的でバズの予感が漂う「グラスハート」(7月31日よりNetflixで配信開始。全10話)。だが、本プロジェクトはそこで終わらない。佐藤の呼びかけに応じて集まった面々が、衝撃的なほどに豪華なのだ。

藤谷が率いるバンドメンバーには、大抜擢された若手実力派・宮﨑優(『うみべの女の子』『死刑にいたる病』ほか)、そして国内外に高い人気を誇る町田啓太と志尊淳。4人は1年以上の楽器演奏に取り組み、「テンブランク」としてバンドデビューも達成(1stアルバムもドラマと同時リリース)。劇中で披露される楽曲群には、野田洋次郎(RADWIMPS)やTaka(ONE OK ROCK)、川上洋平[Alexandros]といった総勢26組ものミュージシャンが参加している。もはや一大フェスといっていい規模感であり、ドラマ内では菅田将暉やNHK連続テレビ小説「ばけばけ」が控える髙石あかりもミュージシャン役として登場し、テンブランクと熱い“対バン”を繰り広げる。

さらに監督を映画『恋する寄生虫』の柿本ケンサクとNetflixシリーズ「全裸監督 シーズン2」の後藤孝太郎が務め、脚本には「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の岡田麿里が名を連ねた本作。あまりにもゴージャスな一流クリエイターたちが集った結果、随所に美意識がほとばしっており、どの瞬間もひたすらにカッコよく、エモく、おしゃれな一作に仕上がっている。しかもそのレベルが異常で、初見の視聴者は大いに驚かされるだろう。

 

例えば、船上でのライブシーン。ある人物の策略により歌番組の収録前に船に閉じ込められたドラマーの朱音(宮﨑優)をバンドメンバーの藤谷、坂本(志尊淳)、高岡(町田啓太)が船で救いに来てそのまま海上で歌うのだが、ビジュアルのインパクトこそあれど普通の作品づくりならここまでしないだろう。予算や労力がかかりすぎるからだ。しかし「グラスハート」ではこうした“どうかしている”シーンが毎話登場する(本作ではライブシーンだけで最大5000人のエキストラを動員し、12台ものカメラを投入したという)。最終第10話なんて、ほぼ全編がライブシーンで構成されているし、そもそもミュージシャンではない俳優たちの“伸びしろ”を信じて任せるのも異例だし、それに応える演者陣の猛特訓にも驚嘆させられる。

本作のあらすじ自体は割とシンプルで「天才作曲家の藤谷に抜てきされたドラマーの朱音がバンドメンバーと共に成長していくなかで、さまざまな試練を乗り越えていく」というもの。菅田や髙石演じるライバルとの切磋琢磨や、藤木直人扮する“ラスボス”との対決に、甘酸っぱいラブ展開も盛り込まれた王道展開と言っていい。天才だが完璧ではなく、むしろ音楽を作る以外はダメダメな藤谷のギャップも萌えポイントだし、口は悪いが根は優しく純情な坂本(志尊淳)や仲間想いの苦労人・高岡(町田啓太)といったキャラクター造形も親しみやすい。佐藤は本作へのコメントで「王道のエンターテイメントを、照れずに堂々とやりたい」と語っているが、口に出すのが恥ずかしい“クサい”セリフだったり、いわゆる少女漫画的な幻想的なキュンキュンするシーンも大量に投下されている。しかし、強固な美意識が行き届いているため本作は歯が浮くような言葉やシチュエーションがまるでスベッていない。それどころか、本作独自の世界観として一本筋が通っている。

漫画的であるということは、様式美が強い一方で、日常と地続きという意味でのリアリティは希薄になりがちだ。つまり「こんなのありえない、現実には起こりえない」描写や展開によって視聴者が冷めてしまう可能性も少なくないのだが――「グラスハート」はその弱点を先に述べた制作陣の“ありえないほどの熱量”で武器へと変えてしまっている。いわゆるベタな具材であっても、調理次第でいかようにでもバリエーションを出せて満足させられると言わんばかりのサービス精神と「魅せる」ことへの圧倒的な覚悟。理屈や常識を超えて納得させられ、規格外のカッコよさにダイブする快感――。20代前半の頃に原作に出合った佐藤健が長らく追い続けた夢が結実する瞬間を、配信という形態でそれぞれの場所から楽しんでいただきたい。

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  • 「王道のエンタメを照れずに堂々とやりたい」限界突破の佐藤健が拝めるNetflix『グラスハート』は7月31日配信!
  • 左から「テンブランク」の町田啓太、志尊淳、佐藤健、宮﨑優。
  • どの瞬間もひたすらにカッコよく、エモく、おしゃれ!
  • 菅田将暉も参加!
  • 1年以上の歳月をかけ楽器演奏に挑み、歌い、さらには実際にバンドデビューまで果たす。
  • ライブシーンも必見の完成度です!
  • Netflixシリーズ『グラスハート』7月31日世界独占配信

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1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、複数のメディアでの勤務を経て2020年に独立。オフィシャルライター/インタビュアーとして「First Love 初恋」『シン・仮面ライダ ー』『Cloud クラウド』『正体』『ガンニバル』『チェンソーマン』『イクサガミ』などに携わるほか、『市子』『52ヘルツのクジラたち』ほかで杉咲花氏のオフィシャルインタビュー、中村倫也氏や横浜流星氏のファンクラブコンテンツにおける聞き手を担当。装苑、WOWOWなどで連載中。スターキャットのTV番組「シネマPICK UP」ナビゲーターを担当。

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