【入れ替わってる!?】映画『シャッフル・フライデー』は男女ではなく3世代の女性の中身がシャッフル!
★『君の名は。』とか好きな人へ★
『君の名は。』とか、古くは『転校生』とか。はたまた、ドラマだけど『パパとムスメの7日間』とか。転生ならぬ中身入れ替わりものってジャンルはたいがい面白いもんでしてね。コメディ要素強めだけど、元通りになるまでの奮闘から学んだことで、結末をエモくできるって仕組みなんですよ。ただですな、これまでの入れ替わりものって、だいたい男女。なぜならジェンダーギャップに苦悩するってのを描くのが簡単だから。
でもね、ジェンダー同じでジェネレーションだけ違う入れ替わりものの傑作中の傑作がありまして。それが『フォーチュン・クッキー』(03)と、そのオリジナル『フリーキー・フライデー』(76)。前者はリンジー・ローハン主演、後者は子役時代のジョディ・フォスター主演ね。これがとてもよろしくてですな。ジェンダーギャップはないけど、母娘の入れ替わりってこんなにもツボある!? てな具合の傑作なのです。で、そんな傑作がパワーアップして帰ってきたのが『シャッフル・フライデー』。リンジーとジェイミー・リー・カーティスの母娘がそのまま歳を重ね、リンジーの娘世代2人と合わせて4人がシャッフルしちゃいました。入れ替わりが倍なら、面白さも倍よ。
おかわりして分かったのは、ジェンダーギャップを笑いにするのってもう時代遅れってこと。そりゃ“おれがあいつであいつがおれで”(というタイトルの児童文学もあります)ってな感じで男女が入れ替わりゃ、お互い驚くことが多いのは当たり前。だけど、それ以上でも以下でもないし、もはや出がらし。世代が違う女性同士の入れ替わりによるケミストリー、全世代全ジェンダーに刺さるのよ! あ、前作知らなくてもだいじょぶ。こっちを劇場で観てから配信チェックよ。

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1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。