オカルトブーム世代おなじみの怖さで気持ちよく怖がれる『死霊館 最後の儀式』ほか【10月映画】3選
過去と現在が交錯するアジア周遊
『グランドツアー』10月10日より全国順次ロードショー
グランドツアー、って言葉、ご存じですか? 19世紀末〜20世紀初頭、欧米人の間で流行ったアジア周遊の長旅のことを指すんですが、この旅人たちってインバウンド需要が強まった今の日本にいらっしゃる観光客に似てない? と思ってしまったのが、映画『グランドツアー』。舞台設定は1918年、現実逃避でビルマからグランドツアーに出てしまった男と、それを追う婚約者を描いているんだけど、そこかしこに現代の映像が挿入されたファンタジックな構成。ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、日本、中国と、7カ国の今昔物語で、「あ、外国の人から見ると、こう見えてたのね!」ってのが分かります(特に日本)。



story_1918年、ビルマ。大英帝国の公務員エドワード(G・ワディントン)は、ロンドンから長旅を経てやってくる婚約者を待っていた。が、優柔不断な彼は彼女が到着する直前にシンガポール行きの船に飛び乗って逃亡してしまう。

監督:ミゲル・ゴメス/出演:ゴンサロ・ワディントン、クリスタ・アルファイアチ、クラウディオ・ダ・シルバ ほか/配給:ミモザフィルムズ/公開:10月10日より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
© 2024 ‒ Uma Pedra No Sapato ‒ Vivo film ‒ Shellac Sud ‒ Cinéma Defacto
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text:MASAMICHI YOSHIHIRO
otona MUSE 2025年11月号より
WRITER
1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。