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アラフォー以上にはグサグサ刺さる『ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜』オリヴィア・コールマンが語る

アラフォー以上にはグサグサ刺さる『ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜』オリヴィア・コールマンが語る

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1989年の傑作『ローズ家の戦争』。おしどり夫婦が、ひょんなことから仲違い。そこから戦いの火蓋は切られ、骨肉の争いを超える大戦争に発展する……というブラックコメディです。マイケル・ダグラス&キャスリーン・ターナーが演じたあの夫婦を、ベネディクト・カンバーバッチ&オリヴィア・コールマンでアップデートし、さらにはちゃめちゃなノンストップコメディにしたのが『ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜』です。

Olivia Colman 1974年1月30日、イングランド生まれ。2000年から俳優としてテレビで活躍し、2005年にスクリーンデビュー。2017年、ミニシリーズ『ナイト・マネジャー』でゴールデングローブ賞助演女優賞(シリーズ・ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞。2018年の『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞主演女優賞を獲得した。

「脚本を読む前から出演を決めていました。脚本をトニー・マクナマラが書き下ろすことが決まっていたこと、また私とベネディクトはこのプロジェクトの初期段階から関わっていたから。でも、とにかく彼の脚本っていうことだけでも、安心感がありましたし、実際上がってきた脚本を読んだときは本当に素晴らしいと思いました。この映画の取材時、よくベネディクトと私は“どんなふうに演じたの?”と聞かれるんだけど、特別なことは何もしてないんですよ。なにせ脚本に全部書かれているんだもの(笑)。しかも、彼の脚本は、私を含めて出演した全員をよりよく見せてくれるんですよ」

 

彼女らが絶賛するトニー・マクナマラは『哀れなるものたち』(2023年)や『クルエラ』(2021年)などを手がけた大人のコメディの名手。オリジナルのアイデアをリスペクトしつつも、現代的な夫婦・人間関係を巧みに描き出し、アラフォー以上の世代にはグサグサ刺さる真っ黒な笑いが満載です。

 

「オリジナルの『ローズ家の戦争』は間違いなく大好きなコメディの一本だし、あれによって役作りがインスパイアされていると思います。私とベネディクトはこの辺の好みがとても似ていて、好きなコメディのタイプもオリジナルのようなダークなテイストが入ったもの。多分それがいい効果をもたらして、スクリーンで観ると私たちがすごくうまいかけ合いをしているように見えるんだと思いますよ」

 

夫婦げんかもここまでいくと……とちょい引き気味になるほどの騒動の連続。だけど、いさかいのきっかけは共感度たっぷりです。「演じていて私も共感できることはたくさんありました。夫婦生活をしていると、テオとアイヴィのように、お互いの話を聞いていなかったり、相手がやっていることよりも自分が手がけていることのほうがずっと大事だと思っていたり。物語のオリジナルはたしかに古いかもしれないけど、ここで描かれていることは今を生きる人たち、誰にでも刺さるものだと思います」

10月24日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
『ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜』

story_建築家のテオ(B・カンバーバッチ)と料理家のアイヴィ(O・コールマン)はキャリアも家庭も順調な理想の夫婦。だが、テオの仕事がうまくいかなくなったことをきっかけに、夫婦関係は崩壊してしまう。

監督:ジェイ・ローチ/出演:ベネディクト・カンバーバッチ、オリヴィア・コールマン、アンディ・サムバーグ、アリソン・ジャネイ、ケイト・マッキノン ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:10月24日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
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『ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜』

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  • Olivia Colman
  • 監督:ジェイ・ローチ/出演:ベネディクト・カンバーバッチ、オリヴィア・コールマン、アンディ・サムバーグ、アリソン・ジャネイ、ケイト・マッキノン ほか
  • 10月24日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー 『ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜』

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text : Masamichi Yoshihiro

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よしひろまさみち/映画ライター

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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