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よしひろまさみち

ダメ親父vsサイコパス軍人『ワン・バトル・アフター・アナザー』ぶっ飛び映画好きはドハマり確定

ダメ親父vsサイコパス軍人『ワン・バトル・アフター・アナザー』ぶっ飛び映画好きはドハマり確定

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ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『ワン・バトル・アフター・アナザー』

story かつては過激な革命家だったボブ(L・ディカプリオ)は、娘ウィラが生まれてからは生活を一転し、冴えないパパに。ある日、彼と因縁のある軍人ロックジョー(S・ペン)がウィラ(C・インフィニティ)の命を狙っていることを知ったボブは、彼女を守るためにあらゆる手を尽くすのだが……。

監督:ポール・トーマス・アンダーソン/出演:レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、チェイス・インフィニティ ほか/配給:ワーナー・ブラザース映画/公開:現在、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー中 © 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

★タランティーノとかぶっ飛んだ映画がお好きな方へ★

PTAことポール・トーマス・アンダーソン監督作といえば、『ファントム・スレッド』とか『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』とか、大傑作! って言われてるものだらけなんだけど、じつはあたくしそれらがあまりタイプじゃないの……。好きなのは『マグノリア』とか『ブギーナイツ』みたいな軽さとエンタメ感ある作品群。で、最新作の『ワン・バトル・アフター・アナザー』をおそるおそる観たら……大好物のタイプでしたのよ!


物語はシンプルな追跡劇。昔は過激だったんだぜ……って感じのダメ親父が、愛娘を彼と因縁のあるサイコパス軍人に狙われたことで半覚醒。昔のつてをたどって娘を逃がそうとするんだけど、ってお話。これがな、サイコパス軍人ロックジョーを演じたショーン・ペンが、主演のレオナルド・ディカプリオを完璧に食ってしまっているのよ(ちなみにショーン・ペンは助演枠)。なんなら娘を演じた新人のチェイス・インフィニティもレオを食いまくり。もうオスカーの助演はW受賞でいいんじゃない? っていうレベル。

 

この勢いと強烈な芝居の数々は観てからのお楽しみなんですが、マジで損しないどころか「ええもん観たわ〜」っていうレベルよ。個人的にはショーン・ペンが最初から最後までぶっ飛び過ぎてて笑いを堪えるのが大変でした。たとえるならばクエンティン・タランティーノの『デス・プルーフ』の疾走感と、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のはちゃめちゃブラピを足した感じ。あの手がお好きならドハマリ確実です(ご存じない方も後追いでこの2作見たら納得しますわよ)。

レオさん、ダメ親父っぷり最高

最強の新人、娘役のチェイスさん。絶対映画賞とりまくる

『ワン・バトル・アフター・アナザー』公式

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  • 映画『ワン・バトル・アフター・アナザー』主演のレオナルド・ディカプリオ
  • 娘を助けるべく奮闘するボブだが、16年のブランクと酒&ドラッグが彼をポンコツに。
  • かつては革命家として世を騒がせたボブ(レオナルド・ディカプリオ)。
  • ディカプリオの娘を演じるチェイス・インフィニティは新人らしからぬ存在感。目力強!

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よしひろまさみち/映画ライター

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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