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よしひろまさみち

知られざる過去に光を『ブルーボーイ事件』、『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』【11月注目映画】2選

知られざる過去に光を『ブルーボーイ事件』、『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』【11月注目映画】2選

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映画ライター・ムービージャーナリストのよしひろまさみちさんが、今月もマストな映画ニュースをモリモリお届けしますよ〜。

知られざる過去に光を
『ブルーボーイ事件』
11月14日より、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

ついに日本映画もこの域に。と、思えた作品がやってきます。トランスウーマンの当事者性にもこだわって完成した『ブルーボーイ事件』。高度成長期、性別適合手術を受けることが、優生保護法に違反しているとされた裁判の記録をもとにした社会派人間ドラマです。ブルーボーイと呼ばれた、性別適合手術を受けて戸籍は男性のまま売春をしていた人々。彼女らの当時の声は多く残されていないものの、飯塚監督が根掘り葉掘り調べ、今を生きる人々に通じるメッセージとして綴りました。初めてのお芝居に取り組んだ主演の中川美悠さんがむちゃすごいです。

story_1965年、五輪景気真っ只中の東京。警察は戸籍は男性のまま性別適合手術を受けたブルーボーイと呼ばれる女性たちを摘発するために、施術した医師を逮捕・起訴する。そんななか、その医師の手術を受けたサチ(中川美悠)のもとに、弁護士・狩野(錦戸亮)が現れ、証人として裁判に出廷を願い出るのだが……。

監督・脚本:飯塚花笑/出演:中川美悠、中村中、イズミ・セクシー、山中崇、錦戸亮 ほか/配給:日活、KDDI/公開:11月14日より、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
© 2025「ブルーボーイ事件」製作委員会

『ブルーボーイ事件』

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text : Masamichi Yoshihiro

otona MUSE 2025年12月号より

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WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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