【ネタバレあり】「入れ替わってる⁉」からの他人の体で生きる悲哀。映画『君の顔では泣けない』は感涙必至

『君の顔では泣けない』製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ/公開:11月14日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー ©2025「君の顔では泣けない」製作委員会
この“リアルさ”は、「そもそも、なぜすぐに周囲に相談しなかったのか?」という動機にもつながってくる。正体を隠したまま、友人のテイで本当の両親と食事している際に「中身が入れ替わっているとしたら……?」と匂わせるのだが、両親は「生理的に受けつけられない」「愛せる自信がない」と屈託なく切り捨てる。その言葉に深く傷ついた2人は、「元に戻るまでは黙っておたがいを演じ続けよう」と秘密にすることを誓うのだった。この部分に代表されるように、始まりの「入れ替わり」という事件こそ荒唐無稽だが、それ以降は坂平&水村の心情描写も物語自体の展開も実に現実味があふれ、納得がいくものばかり。
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