仏の名優カトリーヌ・ドヌーブと堺正章&竹野内豊が日本映画『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』で豪華共演!
★喪失経験のある方へ★
大事な方を亡くした経験をお持ちの方なら、この映画の機微を分かっていただけるはず……、と思いましてな。まぁ、もっというと、ドヌーヴ様が日本でロードムービーという異例の映画でもあるので、おかわりをしてきたのでご紹介。『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』です。
父の遺言で離婚した母のもとにサーフボードを届ける使命を負ったハヤトの旅を、父と父がファンだったフランス人歌手の魂の目線で描くという不思議な作品。え、幽霊が車に同乗しているんですけど、なんなら推しの歌手と一緒にいるパパってどうよ、っていうツッコミはなしね。生きている者側の大事な家族を亡くしたことだけでなく、亡くなった人たちが持っているこの世に対する未練と決着の付け方まで丁寧に描いているのよ。これがじつにいい。というか、染みるわ〜。
おかわり鑑賞の目的としては、ドヌーヴ様の貫禄をもう一度観たかったから、なんだけど、2度目はむしろ亡くなったパパ役のマチャアキこと堺正章さんのブレのない芝居に仰天。あーんど、竹野内さんが演じているハヤトには彼らは見えてない設定だけど、実際はそばにいて芝居しているのを目の当たりにしているのよね……とか、いらんことまで考えてしまい。ラストはあったかい涙でございました。ちなみにこの作品、ヒットしておりまして、今週末にトークイベントもありましてよ。ぜひこの機会に。

マチャアキ&ドヌーヴ様という奇跡的によきブレンドなの! カックラキン!

竹野内さん、よい息子役。マジ、子の鑑。
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1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。














