これがおじさんの現実!?『デザイナー 渋井直人の休日』作者・渋谷直角にインタビュー!
――いま、おしゃれでダンディなおじさんって誰なんでしょうね?
S 光石研さんには憧れますね。知的だし、優しいし、おしゃれだし。めっちゃ粋なことを自分にしてくれたことがあって、ああ、こういう人になりたいなと思いました。でも50代になると考え方とか生き方を変えるのは難しいですよね。昔は憧れてた先輩に失望することもあったりして。こないだ描いたSNSが見てられないおじさんの話とかは、そういう自分の絶望と、自戒の念が入ってるかもしれないです。
W 連載の始めのころは、おしゃれなおじさんの典型としてダッフルコートにクラークスはいてる人っていうのがありましたけど、いまはなんかそういうものも思いつかないというか。
S 特に「記号」的なものを描いてる感じではなくて、そこに捉われて見ていたとしても、結局、人間って一緒だね、みたいなところにこのマンガは大体着地するので(笑)。

――今回の単行本は6年ぶりで、全58話の中から23話をセレクトしたそうですが、選んだ基準はなんだったんですか?
S 今読んで古い感じになってなさそうな回を中心にして、あとは全体のグルーヴ感っていうか、通して読んだときにこのぐらいの上げ下げが一番いいかな、で選んだんですけど。最後は大晦日の話なので、気分をシンクロさせてもらえたら嬉しいかなと。
――アレグリの回が入っているのが意外でした。
S アシスタントをやってくれている30代の女性に、なぜ女心がこんなにわかるんですか? って言われた回なんです。だから、女心がわかる男と思ってもらえるかなって(笑)。変な人に憧れるカルチャー好きな女子の機微をついたのかも。

photograph:KOTORI KAWASHIMA
edit:HIDEYUKI TAKADA









