これがおじさんの現実!?『デザイナー 渋井直人の休日』作者・渋谷直角にインタビュー!
――渋井さんは日々ストレスを感じてますが、それは直角さんのストレスと一致してるんですか?
S けっこうケースバイケースなんですけど、コンプライアンスの息苦しさは僕も感じてるし、渋井だけのストレスの場合もあります。大晦日の回のイヤな編集者の話は実体験です(笑)。実際のその人は編集者じゃなかったんですけど。何度も思い出す人だったんだけど、一度描いたら浄化されたんですよね、思い出から出てこなくなった。描くことで自分を治療してるみたいな。
――一番おすすめの回は?
S 僕が一番好きなのは、“出世魚”っていう、飛騨高山に住んでいる同級生に会う話。この回があることで自分の中の渋井が一段上がったというか、いろんなテイストの話が渋井直人で描けるなあって実感できた回なんです。いわば、このマンガは俺にとっての『ブラック・ジャック』なのかなと思ったんですよ。それのめちゃめちゃスケールちっちゃい版(笑)。手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』って、いろんな話、いろんな舞台設定、ブラック・ジャックの性格も優しい面や攻撃的な面、いろんな側面がある。でもブラック・ジャックがどこにいても何をやっても違和感なく読めちゃう。重ねて言いますが、それのめちゃめちゃスケールちっちゃい版です。「同じものだ」とは言っていません(笑)!

※『黄昏流星群』/『ビッグコミックオリジナル』で連載中の弘兼憲史の劇画。中高年が主人公で、老いても官能を忘れない男女の恋愛を描いている。

『デザイナー 渋井直人の休日 メロウ・ブルー』
価格:2,178円(本体1,980円+税)
発売:POST
渋谷直角⚫️1975年生まれ。名前は本名。小山ゆう先生の『おれは直角』から名付けられた。
マガジンハウスの『relax』でライター仕事を始め、同誌でマンガも描くようになり、以降、いろいろな雑誌やwebで主にマンガを描いている。
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photograph:KOTORI KAWASHIMA
edit:HIDEYUKI TAKADA


















