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よしひろまさみち

カワイイだけじゃない! 人気映画続編『ズートピア2』は現在進行形の世界を映す深いテーマが魅力

★人の言うことに踊らされがちな方へ★

公開されるやいなやロケットスタート、大ヒット中の『ズートピア2』。前作も大好きなもんで、吹替版をおかわりしときたくて観ちゃいました。


ズートピアにいるはずのない爬虫類、ヘビのゲイリーが現れて大騒動〜ジュディとニックが捜査担当になり、ヘビのゲイリーが持っていたズートピア誕生の裏情報が明らかに、っていうお話。詐欺師から足を洗って警察学校を卒業し、晴れて“にんじん”ことジュディと相棒になったニックにはもちろんメロメロのメロですが(上戸さんと森川さんの吹き替えはディズニー・アニメーション吹き替えのトップクラスですわよ)、なにより今回のテーマ設定も完璧。見た目が可愛くてどのキャラも動物の個性を活かしているから、爆速で突き進むストーリーとともに重めの社会的メッセージがスルスル入ってくるのよね〜。前作は第一次トランプ政権下で、あらゆる差別と偏見にNOをつきつける裏テーマ。今回は原住民や移民への差別と排除に加え、歴史改ざん主義まで含めてNO!! 当たり前のことですが、ほんとNOなのよ。


ここからちょいネタバレなので、観てない人は気をつけて。

 

ユートピアのはずが、そこにはもともと住んでいた動物がいて、都市計画のために迫害〜排除、差別するためのウソや、それを流布する煽動家によって歴史を変えて……って、これ、いろんな国で起きてる&起きてた話じゃない。と、広く考えなくても、自分の周りでも大なり小なり心当たりあるでしょ。どこか引っかかってる心のささくれにこの物語の裏テーマがひっかかって、自分ごとに落とし込んで考えることができるのがこのシリーズの良いところ。そしてなにより、ジュディとニックが最高バディなので、バディ映画としても最強。もう何度か観るわ。

森川さんと上戸さんの吹き替え、めちゃぴったり。ニックにメロメロ

憎きビーバー。こいつ、マジで滅ぼしたくなるキャラよ

『ズートピア2』公式

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よしひろまさみち/映画ライター

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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