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オトナミューズ編集部

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【現地写真レポ】サッカーW杯カタール大会 スペイン戦を前に、日本対コスタリカ戦を生の声で振り返る【ぶっちゃけ暑過ぎた】

南野、権田ほかコスタリカ戦後の厳しい顔をしたサッカー日本代表メンバーたち

11月27日、ここで勝てばグループリーグ突破という大一番の2022 FIFAワールドカップ カタール大会、日本対コスタリカ戦。日本は厳しい戦いを強いられ、まさかの敗戦。12月2日のスペイン戦は絶対に負けられない一戦になります。あの日、試合の裏側では何が起こっていたのか。テレビには映らない現地の状況を、現在カタールで撮影中のカメラマン、佐野美樹さんにレポートしてもらいました。佐野さん撮影の貴重な写真と共にお伝えします。

散水した水がすぐ水蒸気になるほど
ピッチは尋常ならざる暑さだった

――コスタリカ戦、せめて引き分けと思っていたので、まさか負けるとは思っていませんでした。

佐野 コスタリカは守る気まんまんで、チャンスがあれば攻めるというスタイルでしたね。日本がドイツ戦でやったことと同じことを、コスタリカにやられてしまったという感じです。試合後「引き分けでもいいと思ったのが、緩みになってしまったのかもしれない」とコメントした選手もいましたけど、そもそもコスタリカはブラジルW杯ではベスト8まで残っているし、決して弱いチームではないんですね。なので、仕方がないという感じかな。ただ前日練習では、選手たちも楽しそうで、雰囲気がよかっただけに残念ですよね。

――パスが通らなかったりと、ドイツ戦に比べて動きが悪かった印象があるのですが、何がよくなかったんでしょう?

佐野 ひとつはドイツ戦からスタメンを5人入れ替えているんだけど、そのうち4人が初めてW杯のピッチを踏む選手だったことも大きいと思う。試合前、見ていて分かるほど顔がこわばっている選手も何人かいたし。

ワールドカップ初出場だった守田英正選手

ワールドカップ初出場だった守田英正選手

こちらも初出場。相馬勇紀選手

こちらも初出場。相馬勇紀選手

コスタリカ戦の日本代表スターティングメンバ―

――なるほど。だいぶ緊張していたんですね。

佐野 もうひとつ。試合翌日に元日本代表の選手と話をしたんだけど「暑さが選手の体力を奪ったのでは」と言っていたの。コスタリカ戦は13時から行われたんだけど、あの暑い国で、あの時間に試合をすることは普通だと考えられない。私たちカメラマンですら、試合前から顔を合わせるたびに「暑過ぎるよね」って言い合うぐらい直射日光がすごかったんですよ。コスタリカ戦の前に13時キックオフの試合に行ったこともあったけど、屋根の形状もあるのか、あの日はピッチに日の当たる時間が長くて異常な暑さだった。気温32度、湿度29%だったけど、体感としてはそれ以上の暑さでしたね。

――日焼けしそうですね……。

佐野 そうなの。私も日焼け対策として長袖に、UV対応のアームカバーも持って行ったんだけど、それでも痛いぐらいの日差しで。スタジアムには冷房が入っているので、私たちは背後からのクーラーの風に助けられたけど、あの冷風がピッチには届いていない可能性もある。どれぐらいの暑さかというと、試合前って滑りをよくするためにピッチに散水するんですよ。だけど、暑過ぎて撒いた水がすぐに水蒸気になって、陽炎が出るぐらい。モヤっているから、めちゃくちゃ写真も撮りづらかったし、選手たちの汗のかき方も全然違っていた。それが90分ずっとだからね。

コスタリカ戦の水蒸気が上がる暑いピッチ

水蒸気でモヤっとしているの、見えますでしょうか?

水蒸気があがる暑いピッチで戦う三苫薫選手
悔しそうな日本代表

――でも、暑いのはコスタリカの選手も同じですよね。

佐野 それが、日なたと日陰の温度差が激しいんですよ。前半はコスタリカ側が半分以上日陰で、日本側がガッツリ日なたでした。ハーフタイムで自陣が入れ替わったけど、後半もなかなか日が傾かないのでほとんどの時間が日なたでのプレーを強いられていて、最後にようやく少し日差しも落ち着いてきたって感じ。だから日本代表は90分、ほぼ日なたで戦っていたんです。私は正直、あの日差しが選手たちの体力をかなり削ったのではないかと思っています。

――なるほど、暑さよりも日差しが厳しかったんですね。

佐野 ただ、どちらを自陣にするかは、試合前のコイントスで決めるのね。今回、日本が選ぶ権利を得たんだけど、自陣はかなり日差しが強くてまぶしそうだったので、なぜ日本が日なた側を選んだのかは少し疑問です。さっきの元日本代表選手も「なんで日なたを取ったのかが気になっていて。だってすごい暑かったでしょ?」って言っていたんですよ。あの理由は知りたいですね。

コスタリカ戦後うなだれる日本代表メンバー

思い返してもただただ悔しいけれど、切り替えてスペイン戦に挑みましょう! 観る側も!

――次はスペイン戦ですね。佐野さん、同じEグループのスペイン、ドイツ戦も撮影しに行ったんですよね? スペインチームはどうですか?

佐野 まず、ドイツは日本戦のときとは全く別物で、あのプレーを日本戦でやられていたら、間違いなく日本はヤバかった。ドイツが日本を舐めていたのかもしれないし、日本があんなに攻めてくるとは思っていなくて、混乱したのかもしれない。本当によくドイツに勝てたなと改めて思いました。対するスペインの完成度も本当にすごかった。ライバル意識のある2チームが、どちらもフルスロットルで戦った結果が引き分け。試合的にはすごく面白かったけど、このチームと戦うのかと考えると本当に恐ろしいよね。あと今回のW杯で思ったのはピーキングの難しさ。

――試合スケジュールがタイトですよね。

佐野 暑さもあって、私たちでも中3日って、思っていたよりツラいんですよ。いつもだと中4日の日もあったりするんだけど、今回は全て中3日で、13時に始まる試合もあれば、22時に始まる試合もある。どのチームもあの暑さの中、グループリーグの3戦全てをベストメンバーで戦うのは、相当厳しいと思いますよ。

――今大会でジャイアントキリングが多いのは、そういう背景もあるのかもしれませんね。

佐野 確かに強豪国は格下のアジア戦で、ベストメンバーを休ませるためにサブメンバーを投入したけれど、結果負けちゃったみたいなことがあったかもしれないよね。

――しかし、スペイン戦まであとちょっと。観る側もドキドキしますね。

佐野 スペインはドイツと引き分けてしまったので、日本にも本気で勝ちにくるでしょうね。スペインにめちゃくちゃに攻め込まれて、日本は守って、守ってという試合展開になると思う。コスタリカ戦が終わった後は選手たちもすごくうなだれていて、あそこからメンタル的にどう持ち直すのかが気になるところです。ただ、失うものはないし、とにかくがむしゃらに戦うしかないよね!

――スペイン戦の注目選手は?

佐野 スペイン側の選手なのですが(笑)、ペドリですね。東京オリンピックにも出た若い選手ですが、「イニエスタの後継者」とも呼ばれていて。間違いなくこれからのスペインを背負って立つ選手で、警戒したい相手です。

――日本は勝つか引き分けるかしか、決勝トーナメント進出はありませんし、頑張ってほしいですね。

佐野 これまでの日本の2試合が何よりの証明ですけど、サッカーに絶対はないので、決勝進出を信じて応援しましょう!

コスタリカ戦での日本人サポーター

スペイン戦は日本時間の12月2日 4:00キックオフ。早朝ですが力の限り応援しましょう、頑張れニッポン!

Photograph:MIKI SANO
Text:JUNKO HAYASHIDA

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オトナミューズ編集部

37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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