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よしひろまさみち

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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観たならマスト。AppleTV+の『テトリス』、傑作!

テトリス

よしひろさん、「きのう何観た?」
『テトリス』AppleTV+

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。

『テトリス』AppleTV+

テトリス

監督:ジョン・S・ベアード/出演:タロン・エジャトン、ソフィア・レベデバ、ニキータ・エフレーモフ、リック・ユーン、文音 ほか/AppleTV+にて独占配信中 ©COURTESY OF APPLE

★「スーパーマリオをご覧になった方へ(セットです)★

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』をご覧になって楽しかった! という方。ぜひともこちらもセットでご覧いただきたく。って、遅いわよね。いやいや、これ3月に配信スタートしたんだけど、あまりにもよすぎて何度も観て反芻しまくったものの、出しどきを逸していたのよ。それがAppleTV+オリジナルの『テトリス』!

 

ご存じパズルゲームの最高傑作テトリス。これが大ヒットしたのは、じつはゲームボーイだったのね。ってことは、任天堂! そうなんです、“スーパーマリオ”がファミコンで大ヒットした後に、『スーパーマリオランド』と同時発売されたゲームボーイが大ヒットしたけど、じつはその直後にリリースしたテトリスのおかげでゲームボーイが普及したという流れ。はい、歴史の授業ですよ! この裏側を描いたのがこの映画。


そもそもテトリスが今のロシア、当時のソ連の科学者が暇つぶしのために作ったゲームだったことや、そのおもしろさが尋常ではないゆえに権利争奪戦が行われていたこと、それが任天堂&日本に住んでいたアメリカ人VS.イギリスのメディアコングロマリットだったってことは、あまり知られていないこと。その争奪戦を超スリリング&超エンタメにしちゃった映画なんですよ。この興奮は観てもらわないと分からないの! 現にあたしもそうで、映画に全く無縁の友人がたまたま観てドハマリしたことを聞いて、試しに観たらドハマリ。すげーおもしろい。


テトリスの魅力ってなんせシンプルなことじゃない。それがなぜソ連で生まれたか、っていう背景もよく分かるし、ソ連の崩壊と同期した話だったんだ、ってことも分かる一挙両得な傑作ですのよ。ぜひぜひ。

テトリス

テトリスを開発したアレクセイさん。最初は文字と記号の組み合わせで急ごしらえしたブロックパズルでした

テトリス

右が家庭用ゲームの権利を買おう奮闘するヘンクさん。左は任天堂社長!

テトリス

ソ連で起きる事件の連続はもはやサスペンスドラマ!

よしひろまさみち
オトナミューズのカルチャーページ編集担当&映画ライター。おバカなコメディからおマジメ社会派まで幅広くカバー。ほんとにおもろいもんしか紹介しません。

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WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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