怪物級の傑作『正欲』から第24回東京フィルメックス特別上映『GIFT』まで。11月にマストなカルチャーニュース!
映画ライター、当コーナー担当編集者のよしひろまさみちが、今月もマストな映画をモリモリお届けします〜。
文化の秋、映画祭の秋
「第36回東京国際映画祭」
「第24回東京フィルメックス」
秋は映画祭の季節。ということで、2つの映画祭に行きましょ。まずは現在開催中の第36回東京国際映画祭。『PERFECT DAYS』は役所広司さんがカンヌ国際映画祭で男優賞をゲットしただけでなく、米アカデミー賞国際長編映画賞日本代表に。また駆け込みギリギリで間に合いそうな『哀れなるものたち』は、来年のアカデミー賞で候補入り確実とされてます。これらだけでも要チェック。そして11月は第24回東京フィルメックス。オープニングの『About Dry Grasses』もですが、1回こっきりの特別上演『GIFT』は必見。『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督&音楽・石橋英子の再タッグによるインスタレーションです。
「第36回東京国際映画祭」
会期:11月1日まで
会場:TOHOシネマズ シャンテ(東京都千代田区有楽町1-3-2 日比谷シャンテ)ほか、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区の各劇場・ホール、ならびに日比谷ステップ広場(東京都千代田区有楽町1-4東京ミッドタウン 日比谷前)など
スケジュール、料金などは公式サイトを参照
「第24回東京フィルメックス」
会期:11月19〜26日
会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町センタービル11F)、ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区有楽町2-7-1 イトシア・イトシアプラザ4F)
スケジュール、料金などは公式サイトを参照
東京国際映画祭出品直後に公開
『正欲』
そんな東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されている『正欲』は、11月10日から全国公開になります。受賞の行方も気になるところですが、これが怪物級の傑作。朝井リョウさんの同名小説を原作に、全く別々の人生を歩んでいたはずの5人の男女の人生交差点を描いた群像劇です。フツーってなんだろう、マイノリティってなに、と説明できない方にこそ、絶対にご覧いただきたい衝撃作です。
『キャロル』の原作者ってこんな人
『パトリシア・ ハイスミスに恋して』
映画『キャロル』(2015年)や『太陽がいっぱい』(1965年)、そのリメイクの『リプリー』(1999年)などなど。数々の名作の原作を手がけた、アメリカのミステリー文学の大家パトリシア・ハイスミス。彼女の人生に迫ったドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』が公開されます。彼女の死後に発表された、秘密の日記をもとに、彼女の貴重な肉声はもちろん、関係者などの証言をまとめているんですが......一言でいうと、ぶっ飛んだ人生。いや、時代が時代だから仕方ないじゃん、って思うこともあるんですが、「マジですか......」というエピソードが山盛り。
text:MASAMICHI YOSHIHIRO
otona MUSE 2023年12月号より