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よしひろまさみち

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大ヒット公開中! 爆笑コメディ映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』徹底解説【よしひろまさみち】

で、本作。平和が訪れた関東で、写真のとおり武蔵野線計画が急浮上。なぜなら埼玉は横のつながりがない! そして埼玉県民の日にはみんな千葉某所に行く! 隣同士仲がよくない埼玉県各市を貫く武蔵野線を通す代わりに、越谷に海を作る計画もプラス。そのためには和歌山にある白浜の白い砂が必要。

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2019年に大ヒットした映画『翔んで埼玉』。第43回日本アカデミー賞では最多12部門受賞という快挙を遂げたあの珍作に、まさかの続編が爆誕。バカバカしさがパワーアップしておりますので、そのテンションでご紹介します(褒めてます)。

縦の糸はあなた
横の糸は武蔵野線

 ほんっとにバカバカしい。映画に対してこんな失礼な言葉、映画ライターとしてはダメ中のダメなことは分かっております。が、予告編を観ただけでも分かる、このバカバカしさ!(大事なことなので何度でも言います)だからこそ、笑いはこらえず、思いきり笑ってくださいね。

本作は前作『翔んで埼玉』の続き。未見の人はソッコーでチェックして。サクッと申しますと、埼玉県民は手形がないと東京に入れない、という掟をめぐり、埼玉解放戦線と東京の戦いが繰り広げられ、見事和解したというお話(あ、結末言っちゃった。でも過程が面白いの)。

 本作は前作『翔んで埼玉』の続き。未見の人はソッコーでチェックして。サクッと申しますと、埼玉県民は手形がないと東京に入れない、という掟をめぐり、埼玉解放戦線と東京の戦いが繰り広げられ、見事和解したというお話(あ、結末言っちゃった。でも過程が面白いの)。

で、本作。平和が訪れた関東で、写真のとおり武蔵野線計画が急浮上。なぜなら埼玉は横のつながりがない! そして埼玉県民の日にはみんな千葉某所に行く! 隣同士仲がよくない埼玉県各市を貫く武蔵野線を通す代わりに、越谷に海を作る計画もプラス。そのためには和歌山にある白浜の白い砂が必要。

 で、本作。平和が訪れた関東で、写真のとおり武蔵野線計画が急浮上。なぜなら埼玉は横のつながりがない! そして埼玉県民の日にはみんな千葉某所に行く! 隣同士仲がよくない埼玉県各市を貫く武蔵野線を通す代わりに、越谷に海を作る計画もプラス。そのためには和歌山にある白浜の白い砂が必要。

偶然にも白浜に流れ着いた麗は、大阪のリゾートとして奴隷化したビーチを目撃。不審者の麗を救ったのは、ある目的で滋賀から密偵に来ていた滋賀解放戦線の桔梗(杏)だった……というのが物語前半戦でーす。

というわけで、最愛の百美(二階堂ふみ)を東京に残し、麗(GACKT)は埼玉解放戦線と千葉解放戦線、共同で帆船を出し、一路和歌山へ。その道中、嵐にあってみんなはぐれちゃう。偶然にも白浜に流れ着いた麗は、大阪のリゾートとして奴隷化したビーチを目撃。不審者の麗を救ったのは、ある目的で滋賀から密偵に来ていた滋賀解放戦線の桔梗(杏)だった……というのが物語前半戦でーす。

ぶっ翔び日本地図

平和が訪れた関東と大違いの関西

物語の鍵となるあらゆるものに、関西各県の小ネタが満載です

翔んで埼玉 ぶっ翔び日本地図

※全て架空の設定です

そのとき関東では……

百美はひとり東京に居残りで、武蔵野線計画の調整役。ところが、埼玉県の各市は全く仲よくなる気配がなくイライラ。おまけに最愛の麗から全く便りがなくイライラ。そんなとき、甲子園帰りの高校生たちが持ち帰った豚まんとたこ焼きを食べたところ、食べなければ落ち着かない症状となぜか関西弁がデフォルトに!?

百美はひとり東京に居残りで、武蔵野線計画の調整役。ところが、埼玉県の各市は全く仲よくなる気配がなくイライラ。おまけに最愛の麗から全く便りがなくイライラ。

植民地・和歌山から滋賀に逃亡

関西の最大勢力・大阪のリゾートとして植民地化された白浜。そこに流れ着いた麗は桔梗に救われて、一路滋賀へ。そこで麗は、滋賀の悲しき歴史を知ります。滋賀ナンバーは「げじげじ」と呼ばれ、交通安全の守り神「とび太くん」は県外知名度ゼロ、琵琶湖畔のリゾート計画も潰え……。おまけに、滋賀の姫君は大阪府のどこかに囚われている!?

関西の最大勢力・大阪のリゾートとして植民地化された白浜。そこに流れ着いた麗は桔梗に救われて、一路滋賀へ。そこで麗は、滋賀の悲しき歴史を知ります。

恐怖の日本大阪化計画!?

府知事・嘉祥寺と妻の神戸市長、妻の愛人の京都市長は三角関係ながらも不思議と共闘し、大阪の勢力拡大に精を出す毎日。彼らは歯向かう他県の人々を奴隷化し、ある場所であるものを作らせ、一方では滋賀の姫君を幽閉しているという噂も。これらを仕切る府知事の野望は「日本大阪化計画」!?

府知事・嘉祥寺と妻の神戸市長、妻の愛人の京都市長は三角関係ながらも不思議と共闘し、大阪の勢力拡大に精を出す毎日。

関西は2府1県
大阪・京都・兵庫のみ!?

 後半部はバカバカしさに拍車がかかります。あ、ちなみにこれは都市伝説。なので、その架空の物語を埼玉のFM局NACK5で流している現実パートとして、和久井映見さんとアキラ100%さんが演じる与野の夫婦が登場(ちなみにここでも埼玉県民同士のある戦いが出てきます)。

ちなみにこれは都市伝説。なので、その架空の物語を埼玉のFM局NACK5で流している現実パートとして、和久井映見さんとアキラ100%さんが演じる与野の夫婦が登場(ちなみにここでも埼玉県民同士のある戦いが出てきます)。

現実と都市伝説が同時進行

 後半の舞台は関西。詳しく書くのは避けますが、対立構図を申し上げると、麗率いる埼玉&千葉の解放戦線と桔梗率いる滋賀解放戦線が共闘。相手は大阪府知事の嘉祥寺(片岡愛之助)と妻の神戸市長(藤原紀香)が率いる大阪府・兵庫県・京都府の関西連合です。ここで重要なのは2つ。ひとつ、滋賀には大阪の水源・琵琶湖があること。ふたつ、関西って他にも県あったよね……?

対立構図を申し上げると、麗率いる埼玉&千葉の解放戦線と桔梗率いる滋賀解放戦線が共闘。相手は大阪府知事の嘉祥寺(片岡愛之助)と妻の神戸市長(藤原紀香)が率いる大阪府・兵庫県・京都府の関西連合です。

 ひとつめは滋賀県の切り札になります。ふたつめ、2府1県以外の関西各県は冷遇です。奈良は1300年時が止まった鹿の生息地、和歌山は未開の地、三重は中部地方に逃げた幻の県。ひどい、ひど過ぎる。冷遇もひどいけど設定もひどい! さぁ、関西に平和は訪れるのか。そして、大阪府による弾圧の理由は!?

滋賀の「げじげじ」「とび太くん」「琵琶湖の水止めたろか」の三拍子や、和歌山のパンダなどなど。各県、自慢の小ネタがばんばか出てきます。

とび太くん大量発生

 後半部の見どころは、関西各県の小ネタたち。大阪のたこ焼きや豚まんはもちろん、京都のお茶屋には女将として山村紅葉さんが登場。滋賀の「げじげじ」「とび太くん」「琵琶湖の水止めたろか」の三拍子や、和歌山のパンダなどなど。各県、自慢の小ネタがばんばか出てきます。前作で大好評だった「各県有名人」ネタも、終盤で観られますよ!

撮影現場はこんな感じ

予告編ラストにある府知事による乳首グリグリ。本番では険しい顔してますが(写真上)、リハーサルではこの通り和やか(写真下)。っていうか、GACKTさん、リハ「しないのか!!」(予告編をご覧ください)

予告編ラストにある府知事による乳首グリグリ。本番では険しい顔してます。
リハーサルではこの通り和やか。っていうか、GACKTさん、リハ「しないのか!!」(予告編をご覧ください)

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『このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉』 ¥770(発売中) 小社刊

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¥1,980(11月4日発売)

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『このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 アンソロジー短編集(仮)』
¥990(12月発売予定)
いずれも小社刊

『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』

story FM NACK5から流れる埼玉にまつわる都 市伝説。関東に平和をもたらしたあの大茶番劇の続きは、なんと関西を巻き込んだ大戦争!?

監督:武内英樹/原作:魔夜峰央/出演:GACKT、二階堂ふみ、杏、加藤諒、川﨑麻世、藤原紀香、片岡愛之助、アキラ100%、和久井映見 ほか/配給:東映/公開:11月23日より、丸の内TOEIほか全国ロードショー

© 2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

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  • 本作は前作『翔んで埼玉』の続き。未見の人はソッコーでチェックして。サクッと申しますと、埼玉県民は手形がないと東京に入れない、という掟をめぐり、埼玉解放戦線と東京の戦いが繰り広げられ、見事和解したというお話(あ、結末言っちゃった。でも過程が面白いの)。
  • で、本作。平和が訪れた関東で、写真のとおり武蔵野線計画が急浮上。なぜなら埼玉は横のつながりがない! そして埼玉県民の日にはみんな千葉某所に行く! 隣同士仲がよくない埼玉県各市を貫く武蔵野線を通す代わりに、越谷に海を作る計画もプラス。そのためには和歌山にある白浜の白い砂が必要。
  • 偶然にも白浜に流れ着いた麗は、大阪のリゾートとして奴隷化したビーチを目撃。不審者の麗を救ったのは、ある目的で滋賀から密偵に来ていた滋賀解放戦線の桔梗(杏)だった……というのが物語前半戦でーす。
  • 翔んで埼玉 ぶっ翔び日本地図
  • 百美はひとり東京に居残りで、武蔵野線計画の調整役。ところが、埼玉県の各市は全く仲よくなる気配がなくイライラ。おまけに最愛の麗から全く便りがなくイライラ。
  • 関西の最大勢力・大阪のリゾートとして植民地化された白浜。そこに流れ着いた麗は桔梗に救われて、一路滋賀へ。そこで麗は、滋賀の悲しき歴史を知ります。
  • 府知事・嘉祥寺と妻の神戸市長、妻の愛人の京都市長は三角関係ながらも不思議と共闘し、大阪の勢力拡大に精を出す毎日。
  • ちなみにこれは都市伝説。なので、その架空の物語を埼玉のFM局NACK5で流している現実パートとして、和久井映見さんとアキラ100%さんが演じる与野の夫婦が登場(ちなみにここでも埼玉県民同士のある戦いが出てきます)。
  • 対立構図を申し上げると、麗率いる埼玉&千葉の解放戦線と桔梗率いる滋賀解放戦線が共闘。相手は大阪府知事の嘉祥寺(片岡愛之助)と妻の神戸市長(藤原紀香)が率いる大阪府・兵庫県・京都府の関西連合です。
  • 滋賀の「げじげじ」「とび太くん」「琵琶湖の水止めたろか」の三拍子や、和歌山のパンダなどなど。各県、自慢の小ネタがばんばか出てきます。
  • 予告編ラストにある府知事による乳首グリグリ。本番では険しい顔してます。
  • リハーサルではこの通り和やか。っていうか、GACKTさん、リハ「しないのか!!」(予告編をご覧ください)
  • 『このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉』 ¥770(発売中) 小社刊
  • 宝島社文庫『小説 翔んで埼玉』 ¥770(発売中) 小社刊

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構成・文 よしひろまさみち

otona MUSE 2023年12月号より

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よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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