紅白もいいけれど、偉大なる音楽家レナード・バーンスタインのパリピな半生を描いたNetflix映画『マエストロ:その音楽と愛と』で年越しはいかが?
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ〜。
よしひろさん、「きのう何観た?」
Netflix映画『マエストロ:その音楽と愛と』
★年の瀬は「第九」が恒例な方へ★
年末ですなー。全く年の瀬感が実感できずにいるのに、新年は迎えちゃいそう。第九やらジルベスターコンサートとか観ちゃおうかしら……ってな年越しが恒例という方。その前にこちらをご覧になってクラシック音楽好きモードを高めてください。来年の映画賞レースで確実に主要賞候補入りしそうなNetflix映画『マエストロ:その音楽と愛と』です。
20世紀アメリカ最大級の音楽家レナード・バーンスタイン。指揮では、これまた巨匠のヘルベルト・フォン・カラヤンと並び称され、作曲では「キャンディード」や「オン・ザ・タウン」などのミュージカル曲も大ヒットさせた偉人でございます。そんな彼の半生を描く伝記がこの映画。なんせすごいのが、バーンスタインのキャリアはもちろんだけど、その裏では華麗なるパリピっぷりをみせていたってことが描かれているのよねー。いわば、今あるセレブ文化のはしり的な。彼と妻フェリシアとの関係性を中心に描いているんだけど、才能も勢いも我欲も頂点! っていうキャリア最盛期のくだりなんて最高よ。自宅のパーティで音楽談義しているかと思いきや、フェリシアが視界から消えた瞬間に気になった殿方にちょっかい出しまくり(あ、有名な話ですがバーンスタインはゲイでした)。
おかたく見えるクラシック音楽界ですが、これを観ると「あぁ、なんと俗っぽくて身近な!」と思えるわよー。いや、それだけじゃないんだけど、まずとっかかりはそこからで全然OK。本作最大の見せ場となる74年の名演、マーラーの交響曲第2番 with ロンドン交響楽団は、まさかの完全コピーなので元ネタもご覧くださいませ。
それではみなさん、健やかで楽しく、よいお年を〜。