アメリカ人記者が見た日本の警察と裏社会の実話ドラマ『TOKYO VICE』Season2はさらにヤバい!
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。
よしひろさん、「きのう何観た?」
『TOKYO VICE Season2』
★警察24時的なものがお好きな方へ★
わたくしごとですが、あたくし、引っ越しなんぞを決めてしまったがゆえに、GWはどこにも行かず、行けず、かといって準備は一向に進まず(自業自得)。そんななか、今WOWOWで放映中の『TOKYO VICE』Season2を観始めたら止まらなくなり、さらに準備が遅れております。
Season1はすでに放映済みで、WOWOWオンデマンドほかいくつかの配信プラットフォームに全話アップされているので、そこから観てちょうだいませ。これ、なんと実話ベースなんですよ。外国人として初めて読売新聞に新卒入社して記者になった、ジャーナリストのジェイク・エーデルスタイン著『トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記』という本がございましてな。これをベースにしたドラマです。なにがおもろいって、90年代の暴力団と警察にべったりはりついた生々しいできごとの数々。前シーズンでは、ホストにだまされて大金ふんだくられたクラブのホステスさんのエピソードや、暴力団幹部と癒着した警察官と記者の丁々発止などなどが描かれ、「やだ、これって警察24時的番組の裏側じゃん!」って思ったもんです。
で、今シーズンではさらに狂ってます(褒め言葉)。警察人事の理不尽とか暴力団の覇権争いとか。これ、ドラマにして大丈夫なの? ってレベル。マジでレベチ。日本が舞台なのでオール日本ロケではあるんですが、半分英語、半分日本語の構成(なんせハリウッド製作なもんで)。で、記者ジェイク役のアンセル・エルゴートが日本語上手だこと……。芝居が上手な役者は、言語が違っても芝居は上手いことを証明してくれますのよ。もう終わっちゃったけど、アンセルが撮影中に書きためた書道と撮りまくった写真を展示した「書道AND写真」もおもろかったですが、いやはや、すごい才能。ぜひとも前シーズン一気見して、今シーズンに追いついておくれやす(どうでもいいことですが、アンセルのパパは70年代から『VOGUE』の撮影をしていた名写真家のアーサー・エルゴートです)。