シリーズ最新作『マッドマックス:フュリオサ』は、アニャ・テイラー=ジョイの強烈な眼力を堪能して
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。
よしひろさん、「きのう何観た?」
『マッドマックス:フュリオサ』
story 戦争により世界の文明が崩壊して45年。自然に恵まれた土地で暮らす少女フュリオサは、強欲なバイク集団にさらわれ、ディメンタス将軍(C・ヘムズワース)にとらわれる。彼女はふるさとを守るために口を閉ざし、覇権争いをするディメンタスとイモータン・ジョーと対峙するのだが……。
監督:ジョージ・ミラー/出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、トム・バーク ほか/配給:ワーナー・ブラザース映画/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー中 ©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
★スカッとしたい方へ★
ついに公開されましたよ、『マッドマックス:フュリオサ』。今回、シリーズの主人公マックスさん出てこないんですが(いや、ちらっとそれらしき人物は出てきます)、前作『マッドマックス:怒りのデス・ロード』(15)でほぼ主役だったフュリオサが、どうしてあんな強くて、独裁者のもとで働くようになったか、っていうことを描いたエピソード0。あたし、試写で拝見したんですが、より音響と映像のよい4Dでおかわりしました。
んまぁ~、揺れる揺れる! 想像はしていたのよ。だって、巨大トレーラーで爆走したり、バイク集団が今回のヴィランだったりするから、揺れるんだろーなー、というのは分かってました。ところがどっこい、想定以上。頭おかしい世界観を揺れる思いで楽しみました。
なにより、大人になったフュリオサ役アニャ・テイラー=ジョイの眼力が強烈。じつはほぼセリフがないんですよ、今回のフュリオサって(いくつかの秘密を守るために、会話がほとんどない設定)。なので、顔芸でいくしかないわけです。それが「彼女、表情の説得力すご……」と思っていたNetflixシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』を軽く超えて、顔芸祭り。おまけに、ストーリーもテンポ感も最高なので、おかわりして正解でございました。IMAXでやってるうちにもう一度おかわりしようかしら……。
アニャさん、ほぼセリフなし。ビジュ勝負!
ディメンタス将軍。前半で「ここ笑うとこですよー」という名シーンあります
このトレーラーが戦車化します
WRITER
1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。