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よしひろまさみち

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新垣結衣主演『違国日記』をリピート鑑賞。「適当にほっときあうくらいの距離感が、ちょうどいい」

違国日記

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『違国日記』

違国日記

story 仲の悪かった姉が亡くなり、姪の朝(早瀬憩)のと暮らすことになった小説家の槙生(新垣結衣)。人見知りの槙生と素直で人懐っこい朝は正反対の性格なうえに、生活パターンも全くかみあわない2人は、あることをきっかけに衝突してしまい……。

監督:瀬田なつき/原作:ヤマシタトモコ/出演:新垣結衣、早瀬憩、夏帆、小宮山莉渚、染谷将太、銀粉蝶、瀬戸康史 ほか/配給:東京テアトル、ショウゲート/公開:6月7日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー ©2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会

★人付き合いにちょい悩みある方へ★

あっという間にもう6月だけど、五月病が治らない~という方。まぁまぁそれって新生活の人間関係が原因だったりしますよね。そんな人にこそご覧いただきたい『違国日記』。オトナミューズの誌面でも紹介したんですが、おかわりしてきたの~。


なんせよき~、なのが「合わないなー」と思っている人と無理して同調・協調する必要ってないんじゃない? ってことを言ってくれていること! ガッキー様演じる槙生は、ほぼコミュ障の小説家で、天真爛漫かつ憎む姉の子・朝との共同生活に辟易なんですな。朝は朝で「おばさんとあんましゃべったことなかったけど、世話になるんだから明るくいかなきゃ!」って感じで、もはや歯車とは……!? というくらいかみあわない。けど、彼女らは歩み寄らないといけないのよ。だって、共同生活するんだもん。そこでおたがい何が得意で何が問題なのかを、言葉にはせずにジワジワと理解するようになるの。これがよき~。


なんやかや、人って支え合わないと生きていけない生き物(金八かよ)。合わなくても合わないなりに付き合いってできるもんですよ、ってのがこのお話のいいところ。いいところは徹底的に合わせちゃうし、ダメなところはほっとく。このほっとくってのが大事なのよねー。100%合わない人はこの限りではないんだけど、自分にも社会にも害がなければ、受け入れられないところはほっときゃいいの。だってそれが個性だもん。なんか「ここがダメ」「あそこがダメ」っていう減点法をしてしまいがちだとは思うんだけど、人って得点法で生きてるわけじゃないんだからさー。そうやって適当にほっときあうくらいがちょうどいいんじゃないかしらねー。

違国日記

このバランス最高なのよー!

違国日記

夏帆さんはガッキー演じる槙生の担当編集者役。これまたよき!

違国日記

朝がめちゃ普通に青春してる高校生というのがキモ

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WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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