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よしひろまさみち

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石原さとみさんの壊れっぷりはマジ必見。『ミッシング』は人間の善意と悪意の両極を描いた傑作!【よしひろまさみち】

ミッシング

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『ミッシング』

story 幼い娘の失踪から3カ月、その母・沙織里(石原)は、世間の関心が薄れていくことに焦り、地元テレビ局記者・砂田(中村)を頼る日々。そんな中、沙織里によからぬ噂が流れ、ネットで炎上してしまう。

監督・脚本:吉田恵輔(吉の上の士は土)/出演:石原さとみ、青木崇高、森優作、有田麗未、中村倫也 ほか/配給:ワーナー・ブラザース映画/公開:現在、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー中 ©2024 「missing」Film Partners

★刺激がほしい方へ★

ついおととい、これの話を友だちとしてたんですわ。『ミッシング』。オトナミューズ7月号で表紙を務めていただいて、ロングインタビューもお願いした石原さとみさんのキャリアを変える一作ね。いやはや、話をしていたら盛り上がってしまい、ついついおかわりを……って思ったら、上映館減ってきてんじゃないのよ! 慌てて猛プッシュよ。


人の善意と憎悪の両側面が意地悪なタッチで描かれている本作。とくに石原さとみさんが演じる若いママの壊れっぷりは、マジで必見。なにはともあれ、観てくれ。話はそこからだ、という映画。これじゃさっぱり伝わらないと思うんだけど、マジそれなのよ。伝えにくいけど、めちゃくちゃいい映画。でも、後味かなり悪くて刺激MAX。映画としては猛プッシュできるんだけど、見る人の健康状態がいいときじゃないと、確実にダメージをくらうのよねー。そんなこんなで、口伝えでこの映画を推すときに言っていたのが「虎舞竜がね……」。


この一言で観に行ってくれた友人が数名。言ってみるもんだ。友人は「こんなに全く虎舞竜の影がない映画なのに、どこで何が出てくるのか緊張してたけど、観たらそこを推した理由がめちゃわかった!」と言ってくれました。もちろんそれは本筋とは関係がないんだけど、それを表すシーンひとつだけで、人の善意と憎悪が全部盛り。


で、おかわり鑑賞したら、いやーすげーわ。細かいところまで目が行き届いたので申し上げますが、そのシーン、めちゃくちゃ狙いどおりだし、なんならそのときのセット美術や衣装、メイク全てが完璧。おかわりしてみるもんだわね。もう観た人も、そしてこれからという人も、これは劇場で観るべき映画ですよ~!

このあと、衝撃展開があります

いくつかあるテレビの密着取材シーン、絶対集中して見て!

石原さん、これで人生変わるはずよ

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    WRITER

    よしひろまさみち/映画ライター

    1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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