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オトナミューズ編集部

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【独占】LiLy最新刊『オトナの子守唄(ララバイ)』発売記念!単行本書き下ろしを一部特別公開

育児が少し落ち着いて、
自分自身の人生の刺激が
またまた「たまらない」時期にいる。

40歳で禁煙して運動を始めて起業して、
「青春」から青さが抜けて「旬」が到来。
初めてのことだらけでスリルに興奮している。


あとは、コレ。現代の40代が、
まさかこんなにも「若い」だなんて
神様からの最高のサプライズプレゼント。


10年くらい前にエッセイの中で「今の三十路は昔の二十歳」だと書いたけれど、
あと5年くらい経てば「今の四十路はその頃の三十路」になるだろう。寿命が伸びたことと美容医療の発達と人々の意識の変化に由来して。


就職タイミングも氷河期で
今も円はどんどん安くなり
ものすごく不景気だけど、
それでも42歳の私は言い切れる。
私たちは「生きる時代」に恵まれた。


日本が大きく変わっていく「波」に
いつだって背中を押してもらって
育った世代=私たちだという自負がある。


女の子だって強気でいい!
自分の好きなカッコをして
自分が思うことを口にだそう!
世間体より自分自身に正直に!
自分次第で人生は開拓していける!
―そんなギャルマインドを
10代の頃に魂にきざめた幸運に感謝している。


もちろん、当時のオトナ(世間)は
自由で派手な私たちコギャルの出現を
良くは思っていないようだったけれど、
個人的にはそんな「逆風」すら「良い波」だった。


「パンツを売るコギャル」「援助交際」
若さと性をオトナ側が搾取しておきながら
子どもを「悪」に仕立てあげる発言を繰り返す
コメンテーターたちに猛烈に腹が立ったことは、
私が作家を目指す大きな火種(モチベーション)にもなってくれた。


私たちはみんな良い子なのに
言いたい放題言いやがって。
内側(真実)を書きたい。
発言権が欲しい。何を言っても
コドモ扱いされることにもう耐えられない。
あんなイヤなオトナにはなりたくないけど、
1日でも早く「あたらしいオトナ」に私はなりたい。発言権を得たときにコドモの頃の気持ちを忘れないようにとメモし始めた日記帳が100冊を超えたあたりで、作家になれた。
と、いうことはあたらしいクールなオトナにもなれたような気が……


―していたところで、
「ママは、子どもの気持ちが全くわかっていない!!」
「ッ !!‌!!‌???」


すっかりオトナっぽくなった中学一年生の娘にこう叫ばれて、ひっくり返るかと思った。「思春期育児クソ疲れた」と呟いていたら「クソとか言ったらダメでしょ」と中学三年生の息子に注意された。


このエッセイは、まるで漫画のような
アラフォー独身ママの日々の記録である。
ジャンルは間違いなく「コメディ」で、
だからこそ全編が「オトナ」のための子守唄。


シビアな現実こそ笑って散らす陽気な姿勢と女としての旬を楽しむポジティブな意気込みと
唄うように生きるゆるやかなマインドセットはオトナである自分を守ってくれる唯一のララバイだから。

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photo:RK text:MAHO HONJYO illust:ekore

otona MUSE 2024年8月号より

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オトナミューズ編集部

37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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