磯村勇斗主演、ヤングケアラーの日常をドキュメンタリータッチで描いた映画『若き見知らぬ者たち』レビュー
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。
よしひろさん、「きのう何観た?」
『若き見知らぬ者たち』
★磯村きゅんがお好きな方へ★
以前行った小誌のアニバーサリーイベントにもご登壇いただいた磯村きゅんこと磯村勇斗さん(勝手に呼んでるだけです。ファンの皆さんごめんなさい)。じつはあのとき、編集Yに「秋にある主演新作のときはぜひインタビューを!」と言われましてな。それがこの『若き見知らぬ者たち』。じつはこの秋冬は磯村祭りでございまして、主演の本作のほかに、10月25日公開の『八犬伝』、来年1月10日公開の『劇映画 孤独のグルメ』、それに絶賛制作中で配信待ちのNetflixシリーズ『ソウルメイト』などなど。大活躍にもほどがある! で、また観ちゃったわけですよ、主演の『若き~』。やっぱすげーの……磯村きゅん。
なにがすごいって、ヤングケアラーの憂う日々のズンドコ節を、まるでドキュメンタリーを観ているかのような感覚にさえさせるところ。本当にすごい。おそらくこういう若きケアラーは大勢いるでしょうけど、その一人の生活を切り取ったかのようなリアリティ。マジ感服(だけど、ストーリーはガチで底の底にはまだ底があるほど落ち込みます)。
なんせ彼にドハマリしたのはドラマ『きのう何食べた?』のジルベール役だったもんで、とんでもなくギャップあるんですよ。ひたすらまじめに役に向き合っているからでしょうね。どんなジャンルでも全力投球。積極的に社会問題を訴えかける役や作品にチャレンジする磯村きゅんのパワー、この一作で強烈に理解できましてよ~。あ、WOWOW入ってる人は、アクターズ・ショート・フィルムの「機械仕掛けの君」も観てね。監督・脚本もこなしちゃってる多才ぶりを実感できるから。