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よしひろまさみち

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磯村勇斗主演、ヤングケアラーの日常をドキュメンタリータッチで描いた映画『若き見知らぬ者たち』レビュー

若き見知らぬ者たち

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『若き見知らぬ者たち』

若き見知らぬ者たち

story 難病を患う母(霧島れいか)を介護しながら、亡父の借金を帰すために昼夜働き詰めの青年・彩人(磯村勇斗)。彼の恋人の日向(岸井ゆきの)だけが救いだった彼のどん底の生活は、ある出来事で最悪の事態に。

監督:内山拓哉/出演:磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太、霧島れいか、滝藤賢一 ほか/配給:クロックワークス/公開:10月11日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー ©2024 The Young Strangers Film Partners

★磯村きゅんがお好きな方へ★


以前行った小誌のアニバーサリーイベントにもご登壇いただいた磯村きゅんこと磯村勇斗さん(勝手に呼んでるだけです。ファンの皆さんごめんなさい)。じつはあのとき、編集Yに「秋にある主演新作のときはぜひインタビューを!」と言われましてな。それがこの『若き見知らぬ者たち』。じつはこの秋冬は磯村祭りでございまして、主演の本作のほかに、10月25日公開の『八犬伝』、来年1月10日公開の『劇映画 孤独のグルメ』、それに絶賛制作中で配信待ちのNetflixシリーズ『ソウルメイト』などなど。大活躍にもほどがある! で、また観ちゃったわけですよ、主演の『若き~』。やっぱすげーの……磯村きゅん。

磯村勇斗さんインタビュー

なにがすごいって、ヤングケアラーの憂う日々のズンドコ節を、まるでドキュメンタリーを観ているかのような感覚にさえさせるところ。本当にすごい。おそらくこういう若きケアラーは大勢いるでしょうけど、その一人の生活を切り取ったかのようなリアリティ。マジ感服(だけど、ストーリーはガチで底の底にはまだ底があるほど落ち込みます)。


なんせ彼にドハマリしたのはドラマ『きのう何食べた?』のジルベール役だったもんで、とんでもなくギャップあるんですよ。ひたすらまじめに役に向き合っているからでしょうね。どんなジャンルでも全力投球。積極的に社会問題を訴えかける役や作品にチャレンジする磯村きゅんのパワー、この一作で強烈に理解できましてよ~。あ、WOWOW入ってる人は、アクターズ・ショート・フィルムの「機械仕掛けの君」も観てね。監督・脚本もこなしちゃってる多才ぶりを実感できるから。

若き見知らぬ者たち

磯村きゅんと岸井さんは恋人同士の役どす

若き見知らぬ者たち

ヤングケアラーをリアリティたっぷりに描く

若き見知らぬ者たち

総合格闘技で成功しそうな弟のために兄ちゃんだけが病気の母の世話……つら!

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WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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