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映画ライターよしひろまさみちが選ぶ2024年ベストシネマは超大作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』

グラディエーター

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。

よしひろさん、「きのう何観た?」
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』

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story ルシウス(P・メスカル)はマルクス将軍(P・パスカル)率いるローマ軍の侵攻によって妻と子どもを殺され、奴隷となってローマへ。元奴隷のフィクサー、マクリヌス(D・ワシントン)の働きかけでルキウスは剣闘士として鍛えられる。が、じつは彼は前帝の姉ルッシラ(C・ニールセン)の実子で……。

監督:リドリー・スコット/出演:ポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、コニー・ニールセン、ジョセフ・クイン、フレッド・ヘッキンジャー、デレク・ジャコビ、ラッセル・クロウ ほか/配給:東和ピクチャーズ/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中 ©2024 PARAMOUNT PICTURES.

★超大作がお好きな方へ★


現在発売中のオトナミューズ12月号でも、作中唯一の女性キャラ・ルッシラを演じたコニー・ニールセンのインタビューを掲載しております『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』。今年のベスト映画を選ぶ季節になりましたが、今ひとつパッとせず、製作は昨年だけど『異人たち』かな~……なんて思っていた矢先に、この作品を観て「これよこれ! 2024ベスト!」とサクッとマイランキングを入れ替えたほどの傑作。取材の前に観ていたんだけど、おかわりしてまいりました。


やっぱよい~。何度観てもよい~。まずすごいのが冒頭。前作が20年以上も前だもんで、観直したほうがいいっちゃいいんだけど、未見の人でも大丈夫な親切設計なの。最初の5分くらい、アニメーションで前作の主要なところを再現してストーリーをなぞってくれるのよ~。このアニメーションの原画を作ったのは、リドリー・スコット監督の制作会社スコットフリーのIDムービー(外套を着た人が鳥になるアニメ)も手がけてるジャンルイジ・トッカフォンドなの。振り返りアニメはIDムービーから続くから統一感もあるし、2時間超を5分程度にまとめるってなんせ見事。ちなみにジャンルイジさんは、90年代にユナイテッドアローズのCMもやってたから、画のタッチは見覚えある方も多いんじゃないかしら。


そしてなんせ男・男・男! 主人公を演じたポール・メスカル(映画の半分くらい半裸)はもちろんなんだけど、終盤に主人公格になるマクリヌスを演じた大物デンゼル・ワシントンや兄弟皇帝役のジョセフ・クインとフレッド・ヘッキンジャー、それに前作から続投してるレジェンド、デレク・ジャコビ……あぁもう芝居がうますぎて安定感しかない男優ばっかり。最強。大スペクタクルの超大作は最近なかったから、余計に感動しちゃったわ。見どころばかりの超大作、早めにいいスクリーンで観てね。

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大スクリーンでポール様……(うっとり)

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兄弟皇帝(兄)。狂気で最高

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『ワンダーウーマン』も観てね(出てます)

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よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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