映画ライターよしひろまさみちが選ぶ2024年ベストシネマは超大作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、本音でおすすめしますよ~。
よしひろさん、「きのう何観た?」
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
★超大作がお好きな方へ★
現在発売中のオトナミューズ12月号でも、作中唯一の女性キャラ・ルッシラを演じたコニー・ニールセンのインタビューを掲載しております『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』。今年のベスト映画を選ぶ季節になりましたが、今ひとつパッとせず、製作は昨年だけど『異人たち』かな~……なんて思っていた矢先に、この作品を観て「これよこれ! 2024ベスト!」とサクッとマイランキングを入れ替えたほどの傑作。取材の前に観ていたんだけど、おかわりしてまいりました。
やっぱよい~。何度観てもよい~。まずすごいのが冒頭。前作が20年以上も前だもんで、観直したほうがいいっちゃいいんだけど、未見の人でも大丈夫な親切設計なの。最初の5分くらい、アニメーションで前作の主要なところを再現してストーリーをなぞってくれるのよ~。このアニメーションの原画を作ったのは、リドリー・スコット監督の制作会社スコットフリーのIDムービー(外套を着た人が鳥になるアニメ)も手がけてるジャンルイジ・トッカフォンドなの。振り返りアニメはIDムービーから続くから統一感もあるし、2時間超を5分程度にまとめるってなんせ見事。ちなみにジャンルイジさんは、90年代にユナイテッドアローズのCMもやってたから、画のタッチは見覚えある方も多いんじゃないかしら。
そしてなんせ男・男・男! 主人公を演じたポール・メスカル(映画の半分くらい半裸)はもちろんなんだけど、終盤に主人公格になるマクリヌスを演じた大物デンゼル・ワシントンや兄弟皇帝役のジョセフ・クインとフレッド・ヘッキンジャー、それに前作から続投してるレジェンド、デレク・ジャコビ……あぁもう芝居がうますぎて安定感しかない男優ばっかり。最強。大スペクタクルの超大作は最近なかったから、余計に感動しちゃったわ。見どころばかりの超大作、早めにいいスクリーンで観てね。