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ずっと両親を思い続けた蔦重。2025年1月スタートNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の主人公「蔦重」の基礎知識

【背景知識】出版文化の興隆~娯楽要素の強い地本が大流行~

べらぼう

18世紀に入ると、出版文化の中心が上方から江戸に移った。蔦屋重三郎が活躍した18世紀後半は、江戸の出版物が飛躍的に増加した。庶民向けの小説のほか、実用書も多数発行された

百万都市となった江戸では、出版業が急成長を遂げていた。文化の担い手となったのは江戸生まれの出版物で、地物という意味から「地本」と呼ばれた。地本を取り扱った問屋は「地本問屋」といい、草双紙(絵本)や洒落本、滑稽本、人情本など、書物問屋よりも大衆的な出版物を扱った。浄瑠璃や歌舞伎などの芸能興行とも結びつき、従来の枠組みを超えた活動を展開した。

幕府による出版統制も追い風に

出版物の増加を警戒した幕府は、しばしば統制を図った。享保6年(1721)、江戸の書物問屋に同業者組合の問屋仲間を結成させ、翌年には出版統制令を出した。これにより、書物問屋の出版物にはある程度の規制が入ったが、地本問屋には問屋仲間の結成が命じられなかった。そのため、地本問屋が扱う出版物には特に目立った規制が入らず、大衆向けの地本の出版が盛んになった。

挿絵も多い草双子が人気に

出版業の急成長をけん引したのが、絵入りの娯楽読み物である草双紙だ。1冊5丁(10ページ)が基本で挿絵もあるので、文学に精通していない人でも読みやすかった。庶民層にも読書習慣が浸透し、さらに部数を伸ばしていった。

【雑学】「TSUTAYA」は蔦重に関係している?

レンタルCD・DVDなどを扱う「TSUTAYA」は、昭和58年(1983)に「蔦屋書店」として創業した。「TSUTAYA(蔦屋)」の名称は、創業者の祖父が営んでいた置屋の屋号が「蔦屋」だったことに由来する。「写楽など有名絵師を送り出した蔦屋重三郎にあやかって名づけた」という説もあるが、これは後付けとされている。

こちらは『大河ドラマ べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ 蔦屋重三郎とその時代 (TJMOOK)』から抜粋しています。より深い時代背景はもちろん、大河ドラマのあらすじについても触れています。ぜひ手に取って深く大河ドラマをお楽しみください!

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