CULTURE

よしひろまさみち

よしひろまさみち

新作を年間400本観た映画ライター・よしひろまさみちによる【2024年ベストシネマ5選】

2本目
『異人たち』

『異人たち』

story ドラマの脚本家アダム(A・スコット)は、ロンドンのタワマンに一人暮らし。12歳のときに亡くした両親の思い出をもとに執筆を始め、幼少期に過ごした家を訪れると、そこには昔のままの姿で暮らす両親が……。

監督:アンドリュー・ヘイ/出演:アンドリュー・スコット、ポール・メスカル、 ジェイミー・ベル、クレア・フォイ ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/ディズニープラスにて配信中。DVD・Blu-ray発売中 ©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『グラディエーターII~』を観るまでは、これが最強、と思ってました。だって~、大林宣彦監督版『異人たちとの夏』のいいとこどり&より深いんだもん! まさか現代イギリスで、しかも主人公のセクシュアリティをゲイに変更して、このお話が成立するなんて思ってもみなかったですわ。原作も大林版も「分かりあえなかった肉親との二度目のお別れ」を描いているわけですが、それが中年の性的マイノリティを主人公にしただけで、こんなにもクッキリと「孤独との向き合い」と「贖罪」が浮き彫りになるなんて! 監督のおヘイ、マジ天才。ちなみにおヘイは、元編集マンだけに、映像編集がむちゃくちゃすごい。「このカット、ここで活きるの!?」の連続。おヘイ、前述の前作『グラディエーター』では編集マンとして入っていたんですよ~(なので、『グラディエーター』も観てね)。

NEXT PAGE

CULTURE TOP

WRITER

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

SHARE

  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

Pickup

Weekly ranking

VIEW MORE