新作を年間400本観た映画ライター・よしひろまさみちによる【2024年ベストシネマ5選】
3本目
『ミッシング』
ぶったまげました。今年の邦画は、とにかく重い社会派、それも社会的には注目されにくい「日向にいない人々」を描いた良作が多かったんですよ。『あんのこと』とかドキュメンタリーの『どうすればよかったか?』とか。体力がないときに観たら、こっちがやられる、というレベルの作品がザックザクだったんですね。その中でもおったまげのぶったまげだったのが『ミッシング』。なんせお人が悪い脚本に感動。「こりゃ誰もやりたがらないだろ……」っていう役や描写が連続するんだけど、そこに果敢に立ち向かった役者の皆さんの熱量たるや。特に石原さんね。御本人もキャリアのターニングポイントと仰ってましたが、これできちゃったら可能性無限大でしょ。これに挑んだ俳優部の皆さん、来年以降の作品での活躍、期待してますよん。
WRITER
1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。