新作を年間400本観た映画ライター・よしひろまさみちによる【2024年ベストシネマ5選】
4本目
『若き見知らぬ者たち』
これまた重量級。その重さと出来栄えはニアリーイコール『あんのこと』(『あんのこと』はまた別の機会に紹介したいのでとっておきます)。これまたお人が悪い脚本で、全く救いがないんですが、今観るべき映画だと思いますのよ。というのも、主題がヤングケアラー問題だから。いや、じつはですね、ヤングケアラー、身近におりましてな……。でも、どこをどうサポートすればいいんか分からないうえに、当事者も声をあげにくい&お願いごとをしにくいというマインドなんですね。ヤングじゃなかったけど、あたしも経験したことではあるんで、そのマインドが分からないではないんですが、「どうしてこうなった……社会よ」と怒りと悲しさにやられちゃいました。これ、あたしらオトナが考えなければいけない喫緊の課題なんですわよ。
WRITER
1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。