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よしひろまさみち

よしひろまさみち

新作を年間400本観た映画ライター・よしひろまさみちによる【2024年ベストシネマ5選】

4本目
『若き見知らぬ者たち』

『若き見知らぬ者たち』

story 難病を患う母(霧島れいか)を介護しながら、亡父の借金を帰すために昼夜働き詰めの青年・彩人(磯村勇斗)。彼の恋人の日向(岸井ゆきの)だけが救いだった彼のどん底の生活は、ある出来事で最悪の事態に。

監督・脚本・原案:内山拓也/出演:磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太、伊島空、長井短、東龍之介、松田航輝、尾上寛之、カトウシンスケ、ファビオ・ハラダ、大鷹明良、滝藤賢一、豊原功補、霧島れいか ほか/配給:クロックワークス ©2024 The Young Strangers Film Partners

『若き見知らぬ者たち』

これまた重量級。その重さと出来栄えはニアリーイコール『あんのこと』(『あんのこと』はまた別の機会に紹介したいのでとっておきます)。これまたお人が悪い脚本で、全く救いがないんですが、今観るべき映画だと思いますのよ。というのも、主題がヤングケアラー問題だから。いや、じつはですね、ヤングケアラー、身近におりましてな……。でも、どこをどうサポートすればいいんか分からないうえに、当事者も声をあげにくい&お願いごとをしにくいというマインドなんですね。ヤングじゃなかったけど、あたしも経験したことではあるんで、そのマインドが分からないではないんですが、「どうしてこうなった……社会よ」と怒りと悲しさにやられちゃいました。これ、あたしらオトナが考えなければいけない喫緊の課題なんですわよ。

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よしひろまさみち/映画ライター

よしひろまさみち/映画ライター

1972年、東京都新宿区生まれ。大学在学中からゲイ雑誌『バディ』編集部で勤め始める。卒業後、音楽誌、情報誌、女性誌などの編集部を経て独立。『sweet』、『otona MUSE』(共に宝島社)で編集・執筆のほか、『an・an』(マガジンハウス)、『家の光』(家の光)、『with』(講談社)、『J:COMマガジン』(J:COM)など多くの媒体で、インタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブなどでも映画紹介をするほか、イベントでの解説、MCも。ゴールデングローブ賞国際投票者、日本アカデミー賞会員、日本映画ペンクラブ会員。

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