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オトナミューズ編集部

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KEITAMARUYAMAを、東村アキコ先生や矢沢あい先生ほか豪華漫画家が描き下ろした1冊が登場!「夢物語が現実に」

“クリエイションの中でも大切にしている想像力を僕は漫画で育ててもらったような気がします”

デビュー当時の夢物語が現実に

 もともと少女漫画は自分にとって身近な存在でした。ビーズやお人形で遊ぶのが好きな子どもだったので、人前で自分を出せずにいた時期は姉の少女漫画を隠れて読むことも。あのころの自分は、華やかな少女漫画の世界にどこか救われていたような気がします。ページの言葉や絵から「このシーンではどんな音楽が流れているんだろう」「この人はどんな声なんだろう……」と想像を膨らませることも好きでしたね。クリエイションの基礎となる部分を僕は漫画で育ててもらった気がします。

 

 今回は、30周年にあたって本を作りたいなと思っていたときに、作品集とは別の形のものを残したいなと思ったんです。そのときに、デビュー当時にみんなで徹夜をしながら眠気覚ましに「このままケイタマルヤマが有名になったら映画化とかされるのかな?」みたいな話をしていたことが頭に浮かんできました。「自分の役を誰にやってほしい?」「漫画でケイタマルヤマの物語を描いてもらえたらどんなにか最高だろうね」とか。そこからいろんな作家さんたちにケイタマルヤマを通して作品をアンソロジー形式で残してもらいたい、という今回の企画に発展していきました。

 

 オファーは僕から直々にファンレターを書かせていただいたのですが、今回叶わなかった先生方も丁寧なメッセージを返してくださいました。有り難いことに、ケイタマルヤマというものをリスペクトしてくださっていることが伝わってきて、僕の中に少女漫画というものがきちんと存在していたんだなと気づかされました。ケイタマルヤマというブランドや僕のもの作りと少女漫画の親和性を改めて感じられた瞬間でしたね。

漫画の世界とつながるデザインワーク

 漫画家の先生たちは、キャラクターのデザイン、ストーリー、背景から、ひとりひとりのキャラクターが着ている洋服、持っているもの、さらにはその後ろにある家具、全てをトータルで進めていくようなお仕事。その部分に自分のクリエイションと近いものを感じます。僕自身、元々ファッション=服だけとは思っていなくて、ひとりひとりの人生やその中で生まれていくさまざまな出会いや経験を豊かに、ハッピーにしていくことがデザインの仕事だと思っています。そういう意味では、ケイタマルヤマとして手がける領域が、洋服を超えてインテリアや食といったライフスタイルに広がっていくことは必然的なこと。僕は洋服からスタートしてきましたが、その洋服を着る人たちは、どんな生活をしていて、どんな部屋に住んで、どんなものが好きなんだろうとイメージがどんどん広がっていく。そういった世界観の組み立て方は、幼いころから親しんできた漫画と似ているのかもしれません。

profile 丸山敬太

まるやまけいた/1965年東京原宿生まれ。ファッションデザイナー。1994年に自身のブランドKEITA
MARUYAMAを立ち上げる。現在ではファッションの枠を超えて、“食”や“住”へと活動の場を広げる。

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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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