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オトナミューズ編集部

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「ファッションは“偏愛”と“面白い”がこれからのキーワード」【スタイリスト白幡啓連載】

今のファッション、ぶっちゃけどう?

ビームス 執行役員 シニアクリエイティブディレクター 土井地 博さん「自分らしさを楽しむ人が増えてきたよね」

ビームス 執行役員
シニアクリエイティブディレクター 土井地 博さん「自分らしさを楽しむ人が増えてきたよね」

K というわけで、今回時間を作ってもらったのは、感度の高いお二人と話したいことがあったからなの。出雲では神様に夢中で忙しかったから(笑)。話したいのは、ファッションの在り方について。


D ここ数年でファッションの在り方はずいぶん変わりましたよね。


K 実はこれまで、何度もメンズのスタイリングを頼まれたけど、奥が深過ぎるから断っていたのね。歴史とかをきちんと知らないとやっちゃいけないテリトリーだと思っていたから。


D 確かにメンズって何かとウンチクが満載で、女性にはハードルが高いイメージがあるかも。そもそもメンズ服は全てミリタリーや制服といったユニフォームがベースになっていて、何気なく付いている装飾やディテールにも意味があるんだよね。

 

K ですよね。逆に女子はトレンド命みたいなところがあったけど、最近の若いコはメンズ寄りになってきてない? 特に洋服が好きなコは、奥が深くないとつまらないって感じている気がするの。大の洋服好きで、アパレルにも長く携わってきたレナさんはどう思う?


R 最近はSNSで流れてくるモノがどうしたって目に入るので、〝欲しい〟よりも脊髄反射的な〝買う〟に乗ってしまうことも多い気がしていて。一方で、その消費の仕方に疲弊してしまった人たちが〝語れるモノ〟に移行してきていて、そうした中では結構メンズにヒントがあったりするのかなと思ったり。


K 男性って情報に振り回されずにちゃんとお金を使えているから、そこも見習わなきゃ! って思っていたときに土井地さんに出会ったの。だからメンズ目線の意見もいろいろ聞きたくて。


D 女性ほど情報には振り回されないかもね。メンズはトレンドがほとんどないから、自分のスタイルを持っている人も多いし。あと、最近感じるのは、昔よくあった、周りと同じ洋服やブランドを買っていないと流行に遅れる文化が、男女共になくなっていること。トレンドじゃなくて、いろいろな意味で自分らしさを表現するようになってきたかな。


K 昔はこのブランドを着ておけば安心! とかあったけど、今は個性の時代になってるよね。ただ、私がstyling/のお店に立っていて感じるのは、何を探しているのか、何が欲しいのか分からない人が多いってこと。つまり、ファッションは〝やり過ぎ〟か〝やらない〟かの両極端になっている気がするの。


R それは感じますね。洋服が売れなくなっていることも考えると、割合的には〝やらない〟ほうが圧倒的に多いかも。


D それでも〝やり過ぎ〟も一定数はいるから、その人たちに向けて面白いことを発信していきたいなって。今は洋服を買うだけでなく、遊びや食、暮らし、旅行といった広い意味でファッションというようになってるし。


K 土井地さんに賛成! 私もどうせやるんだったら、〝やり過ぎ〟の人たちに向けていろいろやりたいの。

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photograph:TOMOYA YAMASAKI text:KYOKO CHIKAMA

otona MUSE 2025年4月号より

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37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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