NCTのジェノもランウェイデビュー! 今注目すべきブランドをピックアップ
ファッションに携わる仕事をしていると、年に2回(ブランドによっては1~4回)開催されるコレクションは、今後のトレンドの指針になるため見逃せません。
前回は見逃せないコレクションブランドをピックアップしましたが、今回は若手ブランドから、今注目を集めるブランドをピックアップ。また、ブランド設立から27年を迎えたラフ シモンズが、その長い歴史に幕を閉じるという衝撃的なニュースにも少しだけ触れたいと思います。
▼coperni
トップバッターは、今最もファッションラバーたちから注目を集めるコペルニ。クレージュを復活させたセバスチャン・メイヤーとアルノー・ヴァイヤンによって2013年に設立されました。ミニマムな印象ながら女性らしいカッティングやボディコンシャスなシルエット、実験的な取り組みやデザインが目を引くブランドです。
2023SSコレクションでは、アイコンバッグとしても知られる〈スワイプ〉を1㎏にも及ぶゴールドで制作したり(販売はなく、ショー後は溶解されたそう)、1000近くものガラスの破片を刺繍で繋ぎ合わせたドレスを制作したりと、クリエイティビティあふれるコレクションでした。
どのルックも目を引くものばかりでしたが、全ての話題をさらったのはクロージングルックを飾ったベラ・ハディット。ベラが現れ舞台に立つと黒子のような2人組みが現れ、何やらあやしい液体をベラのからだに吹き付けています。するとどうでしょう、吹き付けられた液体が体温によって固体に変化し、ジャージー素材のようなドレスに早変わりしました。美しく、未知過ぎるこのプレゼンテーションに思わず息を呑みました。Instagramでは動画も公開されているので、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。
▼Nensi Dojaka
2021年にLVMHプライズでグランプリを受賞したネンシ ドジョカ。ランジェリーの縫製技術やデザインをベースに生み出される大胆なカッティングやセンシュアルなファブリック使いに、海外セレブのファンもすでに多数。ゼンデイヤが映画『DUNE/デューン 砂の惑星』のロンドンプレミアのアフターパーティで身につけていたことでも話題になりましたよね。
今回発表されたコレクションでは、力強さを感じさせるリトルブラックドレスや、ハートシェイプがアイコニックなジャケットスタイル、ロングテイルにフラットシューズを合わせているルックが印象的でした。そしてネンシ ドジョカのクロージングルックには、なんとエミリー・ラタコウスキーが登場! センシュアル過ぎるのでは? と思っていましたが、ヘアスタイルやアクセサリーなどの合わせ方が絶妙で、スタイリングによってこんなに見え方が変わるんだなと再認識させられました。
▼Khaite
ワードローブに1着は欲しい、ニューヨーク発のケイト。ギリシャ語で「長くて流れるような髪」を意味する“Khaite”が由来になっていて、モダンで構築的なデザインが女性たちを虜にしてやまないブランドです。昨年、短丈で袖がベルスリーブ状になったカーディガンがトレンドを席巻しましたが、ケイトがその走りでした。
今回発表されたコレクションは90年代の映画からインスパイアされており、なかでもデイヴィッド・リンチ監督による『Wild at Heart』に登場するニコラス・ケイジの衣装がインスピレーション源になっているそう。さらに、毎日忙しく働くデザイナー自身が、同じように働く女性たちに向けて作っているというのだから、着心地も確か。
日々のふとした瞬間に、纏っている人に魔法のような自信やときめきをくれる服だからこそ、トレンドとして広まっていくのかしらと、ランウェイムービーを観ていて実感させられました。
▼PETER DO
11月号でお洒落な業界人の欲しい物を取材した際、メイクアップアーティストの佐川理佳さんの欲しい物リストに入っていたピータードゥ。2023年SSからはメンズコレクションもスタートさせ、発表前から注目を集めていました。
メンズコレクションの初お目見えとなった今回、ファーストルックはなんとNCTのジェノを起用し、バックオープンになったシャツとジャケット、サテンパンツを纏い堂々のオープニングウォークを披露しました。
ピータードゥは以前からメンズ、ウィメンズの垣根を超えたデザインにしており、コレクションのうちの8割のウィメンズアイテムはメンズもフィットするようにデザインされているそう。ソリッドなデザインと確かなテーラリング、それでいてどこかセンシュアル。今後ファッション界をリードするブランドになりそうな予感!
27年の歴史に幕を閉じる
▼Raf Simons
ジルサンダーやディオールのウィメンズ、カルバン・クラインのデザイントップを務め、現在ではミウッチャ・プラダと共にプラダの共同クリエイティブ・ディレクターを務めているラフ・シモンズ。ラグジュアリーブランドからラブコールが絶えないなか、彼自身がデザイナーを務めてきたラフ シモンズの閉幕のニュースは、本当に、本当に悲しいものでした。
カニエ・ウエストことイェやトラヴィス・スコットなどが全身ラフで現れたり、セレブリティにも人気の高かったラフ シモンズは、アーカイヴアイテムが高値を付けるなど、その価値が高騰していました。グラフィックやメッセージ性の高いレタリングなど、今見ても色あせないデザインばかり。
ブランドは終わってしまいましたが、来年の春夏までのアイテムの販売はされるようなので、これを機に何か手に入れなければ! と今からラフ貯金を始めたいと思います。
otona MUSE S