「おとぎ話の中に佇むような美しさと存在感」メイキャッパーUDAが表現する俳優・藤間爽子さん
BEHIND THE SCENES
うららかな太陽の日差しを感じながらも、冷たい風が吹き抜ける冴ゆる朝に始まった今回の撮影。虚実皮膜――現実と虚構の境界を曖昧にたゆたう藤間爽子の一瞬の表情を、すくい取る。
可憐さの奥に、静かな芯を宿して。
第7回目となる「IN THE BACK」に迎えたのは、俳優・日本舞踊家の藤間爽子さん。俳優としての表現と、日本舞踊紫派藤間流家元・三代目 藤間紫としての歩み。そのふたつを併せ持つ彼女を前にUDAさんが思い描いたのは、そこから現出する佇まいに耳を澄ませることだった。
「日本の伝統的な身体表現を内側で長く育ててきた方ですが、それを前に出そうという意識はありませんでした。むしろ、爽子さん自身が積み重ねてきた時間や身体の記憶が、自然と滲み出る状態をつくれたらいいなと」
彼女が意識するより前に、所作や間の取り方、ふとした立ち姿に現れる舞踊の気配。それを前提として核に据えながら、今回のイメージは組み立てられていった。
「日常の延長にある動きの中で、ふっと香ってくるものを大切にしたかったんです」
可憐さの中に宿る静かな強さ、やわらかさの奥にある揺るがなさ。その印象を支えたイメージとしてUDAさんの中にあったのが、林静一の描く女性像だった。
「時代をなぞりたいわけではなくて、佇まいのニュアンスです。どこか懐かしくて、でも今の空気になじむ感じ。甘さだけじゃなく、どこか張り詰めた緊張感や捻りのある可憐さ。そのバランスが爽子さんの持つ雰囲気と重なったんです」
逢えそうで逢えない、まるでおとぎ話の中に佇むような緊張感。繕うためのものではなく、差し出されるような気配としての美しさ。和菓子のように、自己主張ではなく、相手に向けてそっと佇むような存在感もまた、今回のイメージの一端。
そこに映し出されたのは、強さと儚さ、色気とが同時に存在する姿。それは彼女の中にもともと息づいていたものに、そっと光が当たった瞬間だった。
Profile_UDA(うだ)/大手化粧品会社にてPRやマーケティング、教育、店頭プロモーションなどさまざまな業務に携わり、その後独立。現在は国内外のエディトリアル、コスメティック、ファッションのキャンペーン広告、ショーなどのメイクアップを担当。2021年に日本の季節にフォーカスした初の著書『kesho:化粧』(NORMAL)を刊行し、話題を集めた。

ドレス ¥97,900、中に着たニット ¥40,700(共にマメ クロゴウチ/マメ クロゴウチ オンラインストア)、イヤリング ¥66,000、ブレスレット ¥55,000(共にカラットアー/イセタンサローネ トウキョウ)
Profile_藤間爽子(ふじま・さわこ)/俳優、日本舞踊家。1994年、東京都生まれ。日本舞踊紫派藤間流家元・三代目藤間紫としての顔も持ち、幼少期より舞踊の世界に身を置く。俳優業では映画、ドラマ、舞台で着実にキャリアを重ね、繊細さと芯の強さを併せ持つ存在感で注目を集める。伝統に裏打ちされたたおやかな所作と、現代的な感性が交差する表現が魅力。
インタビュー記事をもっと見る
この記事の画像一覧
direction & make-up:UDA[mekashi project]
photograph:MASAYA TANAKA[TRON]
styling:TEPPEI hair:HIDEKA[une/HOUNE]
model:SAWAKO FUJIMA edit:MIYU SUGIMORI
otona MUSE 2026年3月号より
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。














