「“~らしさ”っていうのは、結局は他人が決めること」私たちにとってのおケイ先生とは?【スタイリスト白幡啓連載】
小誌2月号の大特集「貫け! 自分らしさ」にならい、スタイリスト白幡啓を知る人々に聞き取り取材を実施。「みんなが思う私のイメージでスタイリングを組んだら面白くない?」そんなおケイ先生の提案で始まった今回。果たしてその結果とは?
スタイリスト白幡啓をよく知る人々に聞いた、
「あなたにとっておケイ先生とは?」
「ボディスーツ、コルセット、透けトップス、じゃらじゃらアクセ、ヒール、大きなバッグ、ワイドパンツ、レザーアイテム、ジャケット。先生のアイコンであると同時にstyling/の代表アイテムでもあるかなと思います」(styling/ チーフプレス 宇佐美菜々さん)
「ブラ見せ&背中見せ=ほぼ裸。ジャケットをカジュアルにもフォーマルにも着こなすスタイリングがとても素敵。重ね着が上手でどんなに重ねても着膨れしないスリムな体形が羨ましい。おケイちゃんの話す都市伝説が毎度面白過ぎる」(モデル 岩堀せりさん)
「白シャツやジャケットのような定番アイテムでも、おケイちゃんの場合は、その選び方や着こなしによって“こんなに新しく見えるんだ!”というスタイルに仕上げてしまうところがさすがだな、といつも感心しています」(ライター 河野真理子)
「このアイテムをこう着ちゃうの?っていう、スタイリングの次元がいつも宇宙! 完璧なスタイリングで一見話しにくそうな雰囲気さえあるけれど、実はとても気さく。ついつい宇宙の話や都市伝説で盛り上がってしまいます」(ヘア&メイクアップアーティスト 菊地美香子さん)
「スタイルが“強く”ある人。これ、という確固とした自分像が出来上がっていて、私が思う彼女のイメージカラーは白やピンク。彼女が着こなすとその色がアクティブに映る。ピュアで正直者で、スタッカートのついた子犬みたいな話し方がキュート。豆腐屋をやりたいくらい豆腐好きな人」(スタイリスト 風間ゆみえさん)
「豆粒のような小さな顔と華奢なからだに衣少なめの洋服、ライダースや登場感のあるドレス、ブラックをよく着ている印象。会話はいつも主語がなく、解読不可能なLINEも多いけれど、長い付き合いのおかげで訳せます(笑)」(モデル 佐田真由美さん)
「ジャケット、ライダース、タックパンツ、オールインワン、ボリュームジュエリーなど、先生のアイコン的なアイテムは昔と全く変わっていない。若いクリエイターと積極的に仕事をするなど、新しいものを取り入れたい欲がすごいです」(ファッションPR 佐藤怜子さん)
「華奢な人というのもあってか、骨格をキレイに見せるプロ。自分のからだを分かった上での着こなしはさすが。おケイ先生が着ていると欲しくなります。全ての物事を理解していて、その上で人と接してる気がする。人を絶対に悪く言わないし、神!」(モデル 竹下玲奈さん)
「ブラックヘア、肌見せをきかせたシャープでエッジーなファッションの反面、都市伝説や宇宙のことが好きだったり、話の主語がなく突飛なことを言ったりするチャーミングな一面も。ピュアで可愛らしい、愛されキャラです」(エディター/ライター 杉山ゆりさん)
「ショートヘアと抜群のスタイルにマニッシュなスタイリング、肌見せやジュエリー使いで女性らしさも漂う着こなしが素敵です。サバサバした性格やシャープな見た目なのに、どこまでも面倒見がよく優しい。笑顔がチャーミング♡」(styling/ブランドマネージャー 林 涼子さん)
「華奢でショートヘアがいつも決まっている。ブラックやジュエリーをきかせたちょっぴりエッジーな着こなしであると同時に、目のやり場に困るほどの露出度です(笑)。モード感バリバリなのに、泣き虫で可愛い人です」(マッシュホールディングス代表取締役社長 近藤広幸さん)
「私にとって白幡さんは永遠の謎。攻めたビジュアルに、ほんわかした天然キャラ。ご本人の中では帳尻が合っているのでしょうけど、内面とアウトプットがどう繋がっているのか私には皆目見当がつきません。でも、そのギャップこそが白幡さんの一番の魅力なんだろうな。ほんと可愛い人です!」(オトナミューズ編集長 渡辺佳代子)
「一言で言うと〝布の質量の不均衡”。夏に冬みたいな素材をぐるぐる巻いていたり、冬にお背中日和っつって肌出してたり。バランスのおかしい布の量を纏っているのが先生らしさです。何言ってるか分かんないときもあるけど、ファッション観に一切ブレはありません」(オトナミューズ編集 Y)
「“~らしさ”っていうのはね、
結局は他人が決めることなの」
“~らしい”とは。
「人にどう思われてもかまわなくない?
自分の好きな格好すればいいじゃん?」
と、他人の目などは気にしません的な発言をする人ほど、
日々同じような格好をしているものだ。
それが“らしさ”
の元になっている。
だから“らしさ”
とは、自分の打ち出しだけでは成り立たない
厄介で難解なテーマで
どちらかというと、他人が作り上げるものだと思っている。
「〇〇ちゃんてさー!」
って、自分が居ない場所で自分が話題になったとき。
その人たちの頭の中に浮かぶ
あなたの輪郭がはっきりと、そして
その絵が参加者ほぼ一致して初めて
それが“あなたらしさ”になる。
自分が自分にイケメンの小見出しをつけ打ち出したところで、
周りの人がそう思わなければ、
あなたは 『イケメンって思ってる人でしょ』
って、小見出しがつく。
ま それも“らしい”のかもね。
photograph:KAORI IMAKIIRE / hair & make-up:EIKO SATO[ilumini.]
otonaMUSE 2023年2月号より