「AKB卒業の日に着たDiorのドレスがその後の指針に」エグゼクティブのお買い物考【小嶋陽菜】
「欲しい物は、自ら働いて得る」を体現しているエグゼクティブ6人に、自分のスタイルを形作るうえで欠かせないものや、それらとの出会いをインタビュー。行動力と好奇心に満ちた彼女たちのお買い物考から、パワフルな秘訣を伺い知ることができるはず! 一人目はHer lip toプロデューサー/heart relation CCO、小嶋陽菜さん。
お買い物で重視するのは、インスピレーション。
「お買い物で重視するのは、インスピレーション。他には、どこか自分らしさを感じるようなアイテムに心惹かれます。振り返ると20代はとにかくお買い物中毒でした。ラグジュアリーブランドからプチプラまで、闇雲に揃えたお洋服がクローゼットの中に眠ってしまうことも。でも、それを通して自分の審美眼が養われて、クリエイションの引き出しが増えたように感じています。
あとは20代のときのトライ&エラーがあったからこそ、自分に似合うものが自然と分かるようになって、30代はお買い物がさらに楽しくなった気がします。ちょっと計算外だったのは、年齢を重ねたらお買い物ブームが落ち着いてミニマル傾向になるかと思いきや、家具に興味が出てきてしまって。バクスターのピンクのテーブルやUSMハラーの希少なピンクのキャビネットなど、お気に入りの家具を少しずつコレクションする楽しみを覚えてしまい、さらにお金がかかるようになってしまいました(笑)」
―コレクションしているものはありますか?
「あまりコレクター気質ではないのですが、エルメスは少しずつ集めています。ボリードは、実は20代のときに憧れて購入しましたが、当時は似合わない気がして使っていませんでした。最近ようやく自分になじんできたような気がします。他にもコンスタンスや、使い勝手のいいケリーポシェットなど、シックでコンパクトなサイズのバッグをよく使っています」
―今のスタイルを確立させた買い物は?
「AKB48を卒業する日に着たディオールのドレスです。デザイナーが交代したばかりのコレクションで、繊細なチュール使いや細やかな刺繍に惹かれました。アイドル時代はフリルがあしらわれた可愛らしい衣装を着ることが多かったので、あえて大人っぽいヌーディなドレスをと思って購入したんです。卒業後の私を方向づけた1着かなと思います」
「唇のようなフォルムのショーメのリングや、ダイヤモンドでHがあしらわれたエルメスのバングルなど、ジュエリーは特に自分らしさを感じるものを集めるのが好きです」
「ディオール ファインジュエリーのローズセレストのネックレスは、月と太陽がリバーシブルに施されていて、太陽=陽菜の陽、月=はるなのルナで両方に私の名前がある! と思って。一目惚れして購入しました」
次回は、歯科医師兼カトーコーポレーション クリエイティブディレクター・加藤順子さんの「お買い物考」をご紹介します。お楽しみに!
photograph:DAISUKE TSUCHIYAMA[TRON] / text:KUMIKO MOROHASHI
otona MUSE 2023年7月号より