正直、全部欲しい。2023年春夏、オトナミューズが愛するメゾンのシグネチャーアイテム10選
憧れのメゾンブランドでお買い物するなら、そのブランドの大定番が欲しい! ですが大人世代があまりにも大定番でクラシックにスタイルをまとめ過ぎてしまうと「な~んか、昔の人みたい」になってしまうという落とし穴が待っています。
せっかく買うなら毎日使いたい。それは無理でもベーシックスタイルに取り入れたい。そのとき必要なのは「旬を宿したアイコンアイテム」であることだと考えます。そこで今季、愛するあのメゾンで手に入れるべきシグネチャーをオトナミューズ編集部が本気出して厳選! とびっきり洒落ていて、今っぽくて「いいものはいい」と感じさせてくれる10ブランドの名品をイッキにご覧ください。
ガブリエル・シャネルが生み出した「2.55」に始まり、カール・ラガーフェルドが手がけた「11.12」「BOY CHANEL」「CHANEL 19」、ヴィルジニー・ヴィアールによる「CHANEL 22」。それぞれ時代の女性が求める機能性を、キルティングモチーフやメタルチェーンといった色褪せないメゾンのコードと共に、洗練されたスタイルで表現したシャネルのチェーンバッグは、まさに進化するアイコン。どんなときもシックに見せてくれる最強の相棒なのです。
エルメスについて話すとき、欠かすことができないのがフランス語で「職人技」を意味する「サヴォワールフェール」という言葉。熟練した職人の手仕事に敬意を払い、全てのクリエイションが彼らの技術と想像力に根づいているメゾン。ことバッグに関しては、ひとつの製品が、ひとりの職人の手によって作り上げられている。その手仕事の素晴らしさが、縫製やバッグ全体のぬくもりに表れているだけに、きちんと手入れして、何年も何年も長く付き合っていきたいと思わせる魅力があるのです。これぞまさに、上質なベーシック。
「頭の先からつま先まで、全部ください! 今すぐに!」そう叫びたくなるルックのオンパレードなのがエディ・スリマンが手がけるセリーヌ。なかでも、シルエットの流行は彼が作っているのでは?と思うほど高い人気を誇るジーンズと、BCBGなムード漂うボクシーなショートジャケットはマストバイ。どちらもラグジュアリーでありながら、着まわしがきいて実用性が高いのもポイント! 大人はステートメントなスタイルを宿す日常着にこそ投資を。
上質なベーシックを求めるなら、メゾン マルジェラの「アイコンズ」。2021年に誕生したこのラインは、プレタポルテコレクションから選り抜かれ、今後も永続的にメゾンのキーピースとなりゆくものが集結。そこにはデザインとクオリティに対する確固たるプライドと自信を感じます。そんな信頼のおける名品揃いの「アイコンズ」から今回ピックアップしたのは、これからの季節に活躍すること間違いなしの究極の日常着、シャツとボディスーツ!
テーラードジャケットは、べ—シックであるからこそ進化が止まらないと思うアイテムの筆頭。一見、何の変化もなく思えるものも、よく見ると素材、輪郭、際立たせる特徴と余白、細部に新しい概念が盛り込まれているのです。だからこそ、常に変化してゆく視点、進化する美の定義を持ったブランドのものを手に入れるべき! ルーシー&ルーク・メイヤーが手がけるジル サンダーのテーラードジャケットは、まさにそんな逸品!
ビスポークテーラーが多く並ぶロンドンのサヴィル・ロウに因んで名付けられたブランド名が示す通り、最高級のファブリック、精緻を極めたディテール、完璧なフィットへの敬意を表したもの作りを追求するザ・ロウ。そんなメゾンが作るからこそ欲しいのが、無駄をそぎ落としたシンプルなシェイプの持つ強さに惹かれるブーツ。派手に存在を主張しないのに、これがあるからコーデが締まる!
こんなにもコートの所有欲をかき立てられるブランドがあるかしら! 上質で洗練されたマックスマーラのコートは、一度袖を通せばそのよさを実感し、別のデザインでもう1枚、もう2枚とコレクションしていきたくなる魅力があります。だから今回は、ブラックやベーシュ、グレーといった定番色ではなく日常着のカンフル剤となるペールブルーをピックアップ。上品で美しい色出しはさすが!
アライアのアイコンといえば、80年代から変わらずボディコンシャスなドレス。それは女性に魔法をかける。コンプレックスを解放し、自分が魅力的な女性であることを信じて120%楽しみたくなるのです。「You’re beautiful just you are」そんな風に背中をおしてくれる服はほかにない。若かりしころはフィット&フレアなミニドレスを愛用していたミューズ世代に、今、すすめたいのはこんなロング丈のドレス。
トレンチコートほど、メゾンのアティチュ—ドを投影するアイテムはないかもしれません。トラディショナルな正統派から、フェミニンなタッチが加えられたもの、エッジーなアレンジのあるものまで、そのブランドがどういう女性像を理想として掲げているかが、如実に表れる。だからこそ、憧れのメゾンの1枚に投資すべき。奇しくもこの春、サンローランのアイコントレンチが、ロング丈&オーバーサイズシルエットにアップデート。BLACKPINKのロゼやヘイリー・ビーバーのような自由で官能的で自信に満ちたシックな女性になりたいなら、迷わずこのトレンチのパワーを借りて!
誰もが納得する究極の完成形を持つベーシックほど、その魅力を壊さずフレッシュに見せるのは難しい。それはパールという普遍的な美も然り……。ところがそんなクラシックな存在だったパールジュエリーを、モダンでファッショナブルなものに変えたのがタサキの「デインジャー」。食虫植物や自然界に生息する生き物の神秘的なフォルムの美しさをモチーフにしたこの革新的なクリエイティビティを放つシリーズに、鋭いかぎ爪(クロウ)のシェイプを表現したパワフルな新作「デインジャー クロウ」が仲間入り。これは欲しい!
photograph:MASAYA TANAKA[TRON] styling:AYUMI HAMAMOTO hair:SHINGO SHIBATA[eight peace] make-up:AKIKO SAKAMOTO[SIGNO] model:YOUN-A cooperation:BACKGROUNDS FACTORY
otona MUSE 2023年5月号より