欲しい物は、自ら働いて得る。「高価な買い物はライフスタイルが変わるときに」【谷内侑希子】
「欲しい物は、自ら働いて得る」を体現しているエグゼクティブ6人に、自分のスタイルを形作るうえで欠かせないものや、それらとの出会いをインタビュー。行動力と好奇心に満ちた彼女たちのお買い物考から、パワフルな秘訣を伺い知ることができるはず! 四人目は株式会社WRAY 代表取締役・谷内侑希子さん。
高価な買い物はライフスタイルが大きく変わるタイミングで
「高価なアイテムは、トレンドに流されない、なるべく長く使えるエターナルなものを選ぶようにしています。その根本は昔から変わらないのですが、自分の欲しいものを思うがまま買っていた20代のころを思い返すと、3人の子どももいる現在は手に入れるべきものがクリアになり、よっぽどなことがない限り、衝動買いをすることはなくなりました。
今は、ライフスタイルが大きく変わるタイミングで買い物することが多いです。自分の誕生日にはすぐに手に入らないエルメスのシルバージュエリーを、子どもの誕生や転職・起業したタイミングには、その“とき”の気持ちを忘れないように、という意味を込めて腕時計を購入しています。40代になったらカルティエのゴールドのパンテールが欲しいなと狙っていますが、次は会社の形態が変わるときか、子どもが成人したタイミングかな(笑)」
―20代半ばでバーキンを手に入れた理由は?
「思わぬ出会いで何かを購入することは少ないのですが、当時はときめきに身をまかせ、今しかない! と思いきって購入しました。子どもが3人いる現在は、使用頻度が低くなっているので、今思えばあのときに楽しんでおいてよかったなと思っています」
―お守りのように身に着けているものはありますか?
「起業するぞと決意したタイミングで購入した、ジャガー・ルクルトのレベルソという腕時計です。私は毎日必ず腕時計を着けるので、目に入るたびに手に入れた当時の気持ちが蘇り、初心に返ることができます」
「カルティエのタンク(写真左)も、転職したタイミングで購入した思い出深いものです」
―コレクションしているものはありますか?
「エルメスのシルバージュエリーです。エルメスって、時代が変わってもデザインがエターナル。エレガントだけど、カジュアルさもあって、このジュエリーならずっと使い続けられるだろうなと思ってコツコツ買い足しています」
―服の買い方に変化はありましたか?
「昔はサカイなどデザイン性が高いものが好きだったのですが、子どもの母親として出る場面が多くなったので、着まわしやTPOのことを考慮してか、モノトーンが多くなった気がします」
次回は、AMERI/Ameri VINTAGE ディレクター・黒石奈央子さんの「お買い物考」をご紹介します。お楽しみに!
photograph:KAORI IMAKIIRE
otona MUSE 2023年7月号より