屋上が似合うひと【モデル・佐田真由美連載】撮影：川上智之

モデル佐田真由美が気になるクリエイターに、撮影をディレクションしてもらう隔月連載。今月は写真家であり、有名アーティストのMV撮影など多岐にわたって活躍されている川上智之さんによる、屋上でのドキュメンタリーのようなストーリーをお届けします。

「もともと屋上が好きで。同じ街の中にいても、地上と上とでは、違う空気が流れている感じがするんです。昔の映画や写真を見ていても、屋上のシーンにはちょっと特別さがある気がしていて。真由美さんのイメージは、そんな、〝屋上が似合うひと〟でした。お話をいただいたとき、昔のドキュメンタリー映画のような写真を、あえて渋谷の屋上で今の時代に落とし込んだストーリーを撮りたいと思ったんです。今回初めて撮影をご一緒したんですが、イメージ通りの人でした。そこにいて、動いてくれるだけで、どう撮ってもキマる。楽しかったです」

撮影が行われたのは、東京が今年最後の猛暑日になるだろう……といわれた灼熱の９月初旬の午後。あまりの暑さに体力の限界を感じたよと真由美さんは笑ったけれど、かすかに聞こえる喧噪にシャッター音が共鳴する屋上での撮影は、映画のワンシーンのような、とても美しい光景でした。

TOMOYUKI KAWAKAMI グラフィックデザイナーを経て、現在写真家、撮影監督として活動。数々のアーティストの写真やミュージックビデオをはじめ、映画、広告、ファッションなどさまざまな分野で活躍。雑誌『EYESCREAM』にて写真企画「End roll」を連載中。