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映画『ルート29』綾瀬はるかインタビュー「いわば無の境地でその場に委ねる。そこが難しかったですね」

映画『ルート29』にて孤独を抱える主人公を演じた綾瀬はるかさん。このタイミングで出会えてよかったと語る、今作への想いとは。

全く違う世界への興味があった。転機になりうる出会いとタイミング

映画『ルート29』綾瀬はるかインタビュー「いわば無の境地でその場に委ねる。そこが難しかったですね」

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セリフがごくごく少なく、のり子のキャラクターもこれまで綾瀬さんが演じてきた役柄にはありません。挑戦でしたね。

 

「確かにセリフに頼ることがない役でした。前作の『リボルバー・リリー』もセリフは少なかったんですが、アクションで表現することができました。ですが、のり子は動きも少なかったですからね。脚本を読んだときから、この役を今やったら面白そうだなと感じていました」

 

 

出演のお話はどれくらい前に?

 

「2022年の『はい、泳げません』でご一緒した孫家邦プロデューサーから、公開直後くらいにこの役は私に合うんじゃないか、と伺ったのがきっかけです。それで脚本を読んだんですが、読んだだけだとすごくシュールな映画に思えたんですよね。これを映像化するとどうなっちゃうんだろう、と想像がつきませんでした。でも、森井(勇佑)監督が同世代だったり、『こちらあみ子』を拝見したときもすごく魅力のある作品を撮る方だな、と感じていたので、とにかく監督にお会いして飛び込んでみようと決めました」

ドレス¥165,000、シューズ¥57,200、グローブ¥47,300(全てヨウジヤマモト)
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脚本はシュールだったんですね。

 

「完成した映像よりももっとさっぱりしていて、そぎ落とされている感じの世界観だったんですよ。だから、どういう映画になるんだかちょっと見えなかったんですね。監督の前作『こちらあみ子』はものすごく心が痛むけど、過剰な表現がなく、淡々とあの世界観を描いていたじゃないですか。きっとあのテイストでこの作品も撮るんだろうと思ったら、その一部になれるならぜひ、と。不安はありましたけどね」

 

 

キャリアの転機を求めてました?

 

「それはありますよね。この作品の撮影は昨年夏だったんですが、その前の年は『リボルバー・リリー』と『レジェンド&バタフライ』と立て続けに大作。ドラマも『元彼の遺言状』で弁護士の役で。どの作品もものすごくたくさんお稽古をして、準備をして、セリフもたくさんあって、と作り込むことが多かった。だから次は全く違うタイプの作品に関わりたい、という気持ちもあって。そのタイミングでこの作品に出会ったので、これなら全く違った世界に行けるかも、いったいどんな世界なんだろう、と興味が深まっていったんだと思っています」

 

 

蓋を開けてみないと、どんな世界か本当に分からなかったですよね。

 

「ねー(笑)。出来上がったときに『こちらあみ子』とも全然違う雰囲気になっていたのを最初に感じて。やっぱりこの作品に出演してよかった、と思えました」

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ロードムービーでシチュエーションはどんどん変わるのに、衣装やヘアメイクは劇中で全く変わらず。役作りに関して外見に頼ることができない分、かなり大変だったんじゃないですか?

 

「最初はちょっと戸惑いました。でも、作り込んだ世界観じゃないことにワクワクしました」

 

 

では、撮影はけっこう順調に?

 

「でも、これはこれで、きつかったことが。昨夏のロケは、ほんと暑くてもう(笑)。呼吸するのもしんどいくらい」

 

 

のり子のキャラクターについて監督からどう聞いていました?

 

「のり子はなぜ人とのコミュニケーションが苦手で、そもそもどうしてこういう人になったか。『こちらあみ子』の主人公・あみ子の延長線上にのり子がいるんですよね。あみ子は、よかれと思って言ったことなのに、大人たちからは否定され続ける。のり子もそういう経験があって、自分がいいと思ってしたのに、周りから非難されることによって、人と交流することを閉ざしていった。だから自分の世界だけで生きるようになったんだけど、心の中の宇宙はとっても大きくて、人に興味がないわけじゃないんだけれど、それを表に出すのが苦手、という。それを伺っていたことで理解しました」

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direction & make-up:UDA[mekashi project] photograph:KATSUHIDE MORIMOTO styling:REINA OGAWA CLARKE hair:YUSUKE MORIOKA[eight peace] model:HARUKA AYASE interview & text:MIYU SUGIMORI, MASAMICHI YOSHIHIRO

otona MUSE 2024年12月号より

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オトナミューズ編集部

37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。

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