お酒に強い人のルーツは縄文人!? 最新の研究で分かった「日本人の起源」の新常識
現代日本人につながる3つのルーツ

今から約1万5千年前、のちに縄文人と呼ばれることになる人々が渡来し、縄文文化を開花させました。その後、約3千年前に北東アジアに起源をもつ人たちが朝鮮半島などから渡来し、先住者である縄文人と混血して、のちに弥生人と呼ばれる集団を形成します。さらに時代が新しくなり、古墳時代(3世紀~7世紀)になると、東アジアに出自を持つ第3の集団が大陸から渡来して、弥生人と混血したというのです。そして、この人たちが、現代日本で暮らす私たちにつながっているということになります。
医学が専門の寺尾知可史さんを中心とする研究グループは、バイオバンク・ジャパン(多くの人の遺伝情報を集めて保存しているデータバンク)を活用して約3,000人分の日本人のDNAの全配列を解析し、ゲノムの特徴を明らかにするという膨大な作業を行いました。その結果、日本人の祖先は、縄文系(沖縄県に多い)、関西系(関西に多い)、東北系(東北に多い)の3つの系統に分けることができ、縄文系の割合は沖縄県で最も高く(28.5パーセント)、東北地方では18.9パーセント、関西地方では13.4パーセントになるとしています。この結果は、在来系の縄文人に渡来系の弥生人が混血して現代日本人が形成された、とする従来の通説では説明しきれない部分があるため、それ以外のルーツがあるのではないかと推測されています。日本人のルーツは私たちが考えている以上に多様であったことを示唆するものと言えるでしょう。
EDITOR
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