お酒に強い人のルーツは縄文人!? 最新の研究で分かった「日本人の起源」の新常識
縄文人はがっしり!? 弥生人は高身長!?
この日本列島にはもともと人類は誰も住んでいませんでした。450万年前ごろにアフリカで出現した人類の子孫が長い旅をして数万年前にこの地にたどり着き、やがて現在の沖縄県の南西諸島にあたる地域で暮らし始めます。当時の本州などの状況はよくわかっていませんが、2万3千年前ごろから列島で暮らし始めた縄文(じょうもん)人は顔の彫りが深く、遺伝的には、耳垢が湿っていて、酒に強いなどといった特徴があることがさまざまな研究で指摘されてきました。縄文人たちの形態的特徴には時期差があったようで、縄文中期の縄文人はがっしりしていると指摘されることがあります。とはいっても、身体的特徴にも地域差があったようで、一様に変化したとは言えないようです。
縄文人に続いて、のちに弥生文化と呼ばれる文化の担い手となった弥生人が日本列島で暮らすようになりました。縄文人とは異なる特徴を持つ人たちで、のっぺりとした「高顔」で、身長も高い人たちです。
profile:宮代栄一
1963年生まれ。明治大学大学院博士課程修了(博士・史学)。1989年、朝日新聞社に入社。以後、専門記者として、歴史・考古学・古美術・文化財の収蔵・活用などに関する記事を主に執筆している。現在、朝日新聞編集委員(歴史・考古学担当)。共著に『金鈴塚古墳と古墳時代社会の終焉』(六一書房)、『空白の日本古代史』(宝島新書)、古代史研究の最前線シリーズ『古事記』『日本書紀』『古代豪族』『天皇陵』『邪馬台国』(以上、洋泉社)など。
profile:谷畑美帆
1966年京都市生まれ。明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業後、東京芸術大学大学院にて博士号(学術)取得。英国自然史博物館特別研究員・木更津市郷土博物館金のすず館長などを経て、2016年より明治大学黒耀石研究センター研究員。主な著書に『O脚だったかもしれない縄文人』(吉川弘文館)、『コメを食べていなかった?弥生人』(同成社)、『骨と墓の考古学—大都市江戸の生活と病』(角川ソフィア文庫)、『鈴鳴りの彼方で』(つむぎ書房)など。
EDITOR
37歳、輝く季節が始まる! ファッション、ビューティ、カルチャーや健康など大人の女性の好奇心をくすぐる情報を独自の目線で楽しくお届けします。